4月25日(木)
夜、書店さんや出版営業マンが集まる飲み会に参加する。総勢16名の大所帯。興味深いのは何件かの異なる書店に勤める書店員さんが、その枠を取り払って酒を酌み交わしているということで、僕はかねがねこういう集まりを開きたいと考えていた。しかしそれがいつまでも思案のなかだけに留まっていただけに、思わず幹事営業マンS出版社のTさんに尊敬の眼差しを送ってしまった。
ただ、いつもこのような会に参加したとき気をつけるようにしていることがあって、それはこの業界が異様に人のつながりが強いということ。一度酒席などで顔を会わせるとついつい営業の際に甘えてしまうようになってしまうのだ。仕事とプライベートをしっかり分けていないと、書店さんと営業の関係があやふやになってしまい、緊張感のないつき合いになってしまうことも多い。それでもそれが互いの商売にとって良い方に進めばいいけれど、悪い方に進んでしまうとただただ迷惑をかける営業になってしまうような気がするのだ。
もちろん僕も人として書店員さんとつき合えることを願っている。訪問した際プライベートなことを切り出され「実は、息子がさ…」なんて言われると涙が出てしまうほどうれしい。しかし、それだけになってしまうのはもっと恐ろしい。対等であるのは難しいけれど、本に関して言い合える間柄でいたい。だから僕は、「その本はうちにはいらない」と言われてもうれしく感じることがある。この書店員さんはしっかり自分の目利きでセレクトしてくれているんだと…。
そんなことを考えつつ、酒を飲んでいたら、周りの営業マンはそんなことを当たり前のようにうまくバランスを取っているようだ。改めて感心してしまった。