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5月12日(日) 炎のサッカー日誌 2002.06

 なぜか毎年のようにシステムが変わるヤマザキナビスコカップ。今年はJ1、16チームを4グループに分け、ホーム&アウェー方式の予選を戦い、1位2位が決勝トーナメントへ進むW杯同様のシステムへ。確か去年は1stレグ、2ndレグとかいって、ホーム&アウェー、トータルの得失点を競ったような記憶が…。

 まあ、とにかく我が浦和レッズは、なぜかこんなときにチームパフォーマンスがぐっとあがり、本日の予選最終戦を前にDグループ1位突破を決めてしまったではないか。それはもちろんうれしいことだけれど、どうしてこの勝ち点をJリーグに取っておけないのか…。いささかその不甲斐ないリーグ順位と勝ち点を確認しJ2降格を恐れつつ、そんなことを考えてしまった。

 それでもとにかく決勝トーナメント進出はうれしい。どんな大会でもいいから優勝したい!というのが、ただいまレッズを応援する人の願いなのではないか。今後の組み合わせを見るかぎり、決勝までコマを進める可能性も少なくない。

 最悪なのはナビスコカップ優勝、J2降格なんてことだけど、サポーターが信じずして、いったい誰が信じるのだ!と気合いを入れ直し、早朝6時に列並び。そこで僕のうしろに並んだ2名おばさんサポとちょっとしたレッズ談義。

「決勝トーナメント進出が決まっても結構いるわね。」
「そうですよね、消化試合なのに…」
「消化試合? 確かにそうだけど、負けたくないわよね」
「もちろん勝たなきゃ」

 この会話に現れているのは、ある意味レッズの選手の不幸かもしれないと、試合が終わったあと気づいた。今日の試合は本来予選という意味においては勝っても負けても関係ない。上にも書いたがすでに予選1位抜けが決まっていて、完全なる消化試合なのだ。しかし、それがこのレッズの聖地<駒場>では絶対許されないことになっている恐ろしさ。僕にとっては当たり前のことだけれど、きっと選手にとってはキツイことだろうと。

 結果は最低の大敗北。なんとグランパスに1対5。試合後スタンドに挨拶に来た選手達は、大きなブーイングを浴びることとなった。僕も大声で不満を表した。

 きっと選手達は想っているだろう。「1位抜けしたというのに…」と。

 しかしやはり消化試合とはいえ、勝負は勝たなければならない。そして、それ以上に選手はどんな試合でも100%ファイトする姿勢を見せなければならないと、隣で僕同様に不満を表しているKさんの声を聞きながら感じていた。

「負けてもいいよ。でも前半で0対3なら、後半になって死ぬ気でボールを追って、せめて2対3で終わらなきゃ。」

 やっぱりレッズには消化試合なんてないんだと足早に人が減っていくスタンドに残りながら考えていた。