WEB本の雑誌

5月16日(木)

 もし「本屋さんで一番面白い棚はどこか?」と聞かれたら、僕は「客注品取り置き棚」と答えるだろう。まあ、反則だけれど…。

 なぜ客注品の棚が面白いのかというと、そこには基本的に店頭に並んでいない本がズラリと並んいるからだ。日頃目にする機会のない本が山のようにあり、おっこんな本が出ていたのか?という発見とともに、わざわざ時間がかかっても良いから欲しいという読者が存在していることを実感できる喜びもある。

 おまけに一度に多数の本を注文したお客さんの傾向が見られるのも面白い。たいていそんな客注は輪ゴムでまとめられているのだが、その組み合わの妙に、思わず唸ってしまうほど。いやー、楽しいのなんの。

 本日も相模大野のK書店Sさんを訪問し、話し込みながら思わず客注棚に目が泳ぐ。○○全集やら僕の知らない出版社の本やら、バシバシ飛び込んでくる。唸りつつ、「面白いもんですね」とSさんに話しかけると「そうなんですよ、客注はやっぱり大変なんですけど、本が必要とされていることがわかる喜びがありますよね」と答えられる。

 そう、客注棚を眺めていると大きな勇気が湧いてくるのだ。