WEB本の雑誌

5月21日(火)

 イベントの企画を持って、池袋のジュンク書店さんを訪問。本来『ほんや横丁』で連載して頂いている田口さんがイベント運営の担当なのだが、扱う書籍がコミックのため、まずそちらの担当者に挨拶をしに行く。僕自身、仕事をしていて一番ツライのが、いわゆるトップダウン的な仕事をされることなので、話だけは通しておこうという考え。

 担当のHさんを訪問するが、あいにくの不在。残念に思いつつ、仕方なく階上の田口さんのところへ向かおうとした。すると、その応対をしてくれた方がいきなり「すみません、ご挨拶させて頂いて良いですか?」と予想外の言葉を投げかけてくるではないか。

 えっ、と思いつつ名刺交換させてもらうと、なんとそのTさん、他の書店さんで何度も名前をお伺いしていたTさん本人で、僕もいつかお会いしに行こうと考えていたのだ。ビックリしつつ、話を伺うと共通に面識がある書店員さんの名前がざっと挙がり、何だか初対面とは思えない不思議な展開。おまけにイベントの話をしたら、大喜びしてくれるではないか。こんな出会いがあるから、営業マンを辞められないのだ。

 今回『弟の家には本棚がない』の営業のため何軒かの書店さんでコミック売場を廻ってきた。今まで僕はほとんどコミック売場には顔を出しておらず、また面識のある文芸担当者がコミック担当になったこともなく、まったく話をお伺いする機会というのがなかった。

 これはまだ廻っている件数も、お会いしている担当者さんも少ないのでうまく言葉にできないけれど、同じ書店という仕事でありながら、どうもコミック売場と文芸書売場では何かが違うような気がしてならない。

 売れ数や売れスピード、配本システムなどはもちろん違う。しかしそれだけでなく棚の作り方や見せ方、あるいは担当者の意識。いつも文芸書の売場を廻っている僕からすると何か違和感があって、その違和感のなかに文芸書の売り方や作り方への大きなヒントが隠れているような気がする。

 これは僕の宿題として、今後もTさんを始め今回知り合ったコミック売場担当の方々に話を伺っていきたいと考えている。