6月6日(木)
「杉江くん年いくつ?」
「えっ、今年で31歳ですけど」
「やっぱりそれくらいの年頃の人が棚を作らなきゃダメだよね…」
川口のS書店Aさんを訪問するといきなりそんなことを言われた。どうしたのかと思って話を聞くと
「僕はね、杉江くんよりちょうど20歳上なんだけど、最近の書店の棚づくりにすごい抵抗を感じるんだ。仕掛け…って言われているけど、棚一面、同じ本で埋めて圧倒的なボリューム感で売っていくでしょう。確かにそれで売れるんだけど、なんか押しつけがましさを感じるんだよね。だから若い人が棚を作った方がいいと思うんだ」
今、こういった嘆きを呟く書店員さんは非常に多い。Aさんが作る棚はいわゆる正しい書棚だで、ジャンル・著者名・出版社などでしっかり括り、1冊1冊背表紙で売る棚だ。そのなかにはピリリと効いた本が山のように詰まっているだが、なかなか棚をじっくり見てくれるお客さんは少ない。
最近は、背表紙でなく、表紙で売る本屋さんが増えている。その棚は「これを買え!」と叫んでいるような攻撃的な棚であり、そのほとんどがパブリシティと絡めた本でいっぱいだ。書店員さんの、それも経験を積んだ書店員さんにとっては、悲しい現実であり、果てしない徒労感だろう。
お客さんがお店を作り、お店がお客さんを作ると言われる。是非、時間があるときには、ゆっくりと本屋さんの棚を回って欲しい。どこかにその書店員さんの個性が光っていて、それに気づいたとき、その本屋さんをもっと愛せるだろうから。Aさん、まだまだ頑張りましょう。