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7月1日(月)

 ワールドカップが終わり、やっと大好きなJリーグが再開へ。我らが浦和レッズの勝ち点は、忘れたくても忘れられないたったの6。いわゆるJ1残留ライン勝ち点30まで、あと24の約8勝が哀しい目標か…。まあ、現在長期的ビジョンによる構造改革元年だから、サポも痛みを我慢しなければいけないのだろう。とにかく7月13日、ジュビロ磐田との戦いが楽しみだ。

 それにしてもいつからワールドカップは「祭り」と表現されるようになったのか。Jサポやまったく興味のなかった人ならその表現を使う理由もわかるが、やたらといろんなところで「祭り」が終わったと発言されている。

 確かワールドカップは「戦争」と呼ばれていた時期もあったのではないか。他の国ではいったいどんな表現をされているのか気になるところ。何だかこの「ワールドカップ=祭り」という図式が続く限り、日本代表への真のサポートは生まれない気がするし、あれだけ必死にプレーした選手達が可哀相で仕方ない。これじゃ4年前に城彰二はいったいなぜ水をかけられたのかわからない。 ワールドカップは、その程度のものになってしまったのだろうか?

 さて心を入れ替えて仕事に集中しようと考えていたのだが、定期健康診断のため午前中は病院へ行かされ肩すかし。

 血を取られる瞬間思わず看護婦さんの顔を見つめてしまったのは、ワールドカップ中の数少ない読了本『イン・ザ・ブール』奥田英朗著(文藝春秋)のせいだろう。『最悪』『邪魔』とシリアスすぎる不幸寄せ集めミステリーを書いた著者とはとても思えない爆笑小説で、とくに一話目の表題作を埼京線の中で読んでいたとき、含み笑いを越えて声を挙げて大笑いしてしまったほど。しかし話が進むに連れ、笑っていて良いの?と深く考えさせられるあたりはさすが奥田さん。この作品は、是非ともシリーズ化して欲しい。

 再度心を入れ替え、午後から集中して営業に向かう。HP『ほんや横丁』の連載「仕事の目・遊びの目」で野上さんが書かれているパルコBC渋谷店を訪問。記述どおり、入り口が工事されていて、これから改装が始まるようだ。

 僕自身、当欄で何度も書いてきたがこのお店を訪問するのが大好きだった。それはベスト10や平台を見れば明らかで他店から考えたらとんでもない本が、山積みされていてそれがしっかり売れていたからだ。こんな面白いお店はないよなぁ…といつもそのベストをメモもしていた。いや、今でも変わった本がランクインしているから、その血は確かに受け継がれているのだろう。

 血が受け継がれている…と書いたのは、その頃の店長、Yさんが異動になり現在他の支店で働いているからだ。Yさんはいつも売場を走り回っていて、部下に指示を出していた。そしてアンテナに引っかかるとどんな出版社の本でもドンと勝負をかけた。いつだか不思議に思ってベスト1に君臨している本を見ながらYさんに聞いたことがある。

「Yさん、どうしてこの本をこんな大きく展開しようと考えたんですか? 他店では多分平積みにもなっていないと思うんですよ」
「……。わかんないんだよ、いや、ちょっとはわかっているけど言葉にならないっていうの? なんかね、来るんだよ、新刊チラシとか営業マンと話していると。ピピッとね。」

 この地でオープン時期から勤務し、定点観測し続けたYさんの言葉は重かった。あの時代の野上さん曰く「ぼくらの書店」パルコBC渋谷店を築いたのは間違いなくこのYさんと、その下で厳しいYさんの怒声を受けながら働いていた方々の力だろう。

 それがそのまま改装後に蘇るのか、それとも新しい形で生まれ変わるのか、どちらにしても期待が高まる。