WEB本の雑誌

7月4日(木)

 長雨が止んだら途端に夏。ジメジメとモワモワの中、外回り営業。非常にツライ。電車と書店さんのクーラーだけが頼りで、移動の最中は、ほとんど意識が薄れている。「営業引退」の文字が忽然と頭のなかに閃く。

 吉祥寺のP書店を訪問し、数カ月ぶりに担当Nさんと対面。いや、ちゃんと毎月訪問しているのだが、タイミングが悪くいつもいつもNさんの休みの日にぶち当たっていたのだ。「どうもすみません」と謝りつつ、お話。

 Nさんとは奇遇にも同じヤクルトファンということで昨年喜びを共有しつつ、マリノスサポということで相反している仲。そのNさんが「そうそう、杉江さんに渡そうと思って待っていたんですよ」と言いながら取り出したのはJリーグチップスのおまけカード。それもレッズの福田、永井、井原。思わず大きな声で「くれるんですかぁ!」と興奮してしまった。恥ずかしい…けれど、非常にうれしい。

 何だかこんなことばかり書いていると、まったく仕事をしていないんじゃないか!と発行人の浜本から心配し、なおかつあるのかどうかわからない査定に響きそうなので報告しておくが、Nさんからしっかり追加の注文も頂いた。もちろんJリーグチップスではないので安心を。

 その後、文庫売場に行って旧知のT君と会う。

 僕は一応自分の中のルールとして、書店員さんと友達のようなつき合いは、絶対しないよう心がけている。正しい日本語は使えないが、年の上下に関わらず敬語は絶対に崩さない、下の名前やあだ名で呼ばない、個と公がぐちゃぐちゃにした営業はしないと決めている。

 そんな想いで営業をしているなか、数少ない例外がこのT君で、彼と会うとどうしても教室の片隅で遊んでいた学生時代に連れ戻されてしまう。ほぼ同年代、そして同性ということもあるのだろうが、仕事の話を越えて、かなり深いプライベートなことまでついつい互いに話してしまう。
 ただ、僕はT君の仕事のやり方をとても尊敬しているので、その辺は逆にライバルとして、おお、T君がここまでやっているなら、オレもやらなきゃいけないな…といつも発憤させられている。こういう関係で、今後5年10年つき合っていけたら、かなり面白いところに辿り着けるんじゃないかと期待もしている。本日もくだらないこと6割、真剣な仕事の話4割で、大いに盛り上がる。

 それにしてもP書店さんは大規模な改装をしてかなり印象が変わった。特にエレベーターを降りて正面にある、新刊スペースの平台と面陳の棚はインパクトが強烈だ。「本の魅せ方」という意味では、各書店さんのなかで、P書店さんが一歩リードしているような気がする。