7月12日(金)
注文短冊を持って、取次店さんを廻る。そろそろ月末に向けて混んでいる時期かと恐れていたが、T社もN社も待ち人は少なく予想よりも早く終わってしまった。確か5月も6月も新刊が減っていると聞いている。これで7月も少ないとなると、もしかして各社ついに新刊も出せないところまで落ち込んでしまったということなのだろうか?
深夜プラス1に立ち寄り、浅沼さんと昼飯。食事後、浅沼さんがもぞもぞと耳打ちしてくるではないか。いったい何を言い出すのかと思ったら「ねぇ、紀の善にこおり杏を食いに行かない?」と。望むところと、その紀の善へ。冷たい、うまい。幸せというのはきっとこういうことを言うのだろう。
しかし人生、楽ありゃ苦あり。いったい、このクーラーの利いた店内でかき氷を食う状況から、どうやってカンカン照りの外に出ろというのだ。二人揃って「ヨシ!」と声をかけ、外に飛び出す。浅沼さんはその後ヘルメットをかぶり、バイクにまたがって神田村へ。こうなると仕入も命がけだ。
飯田橋からT社への道のりもツライが、市ヶ谷から地方小出版流通センターへの道のりもツライ。登り坂になっているため一部の出版営業マンには「心臓破りの丘」と呼ばれているのだ。
その後は…。意識がなくなり、ほとんど覚えていない。
今、僕と向かい合わせに座っている事務の浜田は、何か歌を口ずさんでいる。
「たんたんたぬきの…」
そこで歌は止まった。