7月19日(金)
今月の新刊、ウエちゃんの『国道の西、夜明けのミナミ』事前予約分、著者のサイン本を持って、ほんやタウンさんへ納品。金子と二人、大量の本を持ちつつ、大量の汗を流し、御茶ノ水の街を歩く。
いつもはラフな格好の金子が、今日はビッシリスーツで決めている。今夜、池上冬樹氏と吉田伸子氏の出版記念パーティーがあるためだが、大いに納得いかないことがひとつ。
それは、スーツを着込んだ金子が会社に出社してきたときの出来事。事務の浜田、編集の松村、それから助っ人の女子学生、いわゆる本の雑誌女性陣が、みんな一斉に注目し
「カッコイイ…」
「ステキ…」
なんて目をウルウルさせやがる。金子もその気になって前髪を掻き上げた。
これは元の問題なのか、外見の問題なのか? 元の問題なら何も言えないが、日頃見慣れていない金子のスーツ姿のせいだとしたら、非常に気分が悪い。こちとら、毎日このクソ暑いなか、スーツを着ているのに、誰からも注目されないのだ。ああ。
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夕刻になって、パーティー会場の市ヶ谷アルカディアへ。
作家、書評家、翻訳家、各社編集者が集まる華やかな出版記念パーティーに、営業マンの居場所はない。場違いな場所にいるほどツライことはないので、とにかく出来ることをやるしかないと、受付に立つ。しかし、来場される方々の顔と名前がまったく一致しない。
日頃作家のビジュアル面にまったく興味を持っていないため、超大物作家とは露とも知らず、「失礼ですが、お名前を頂戴したいのですが」なんて声をかけてしまう。さすがに北方謙三氏はわかったが、他の皆様には大変失礼をしてしまった。申し訳ございません。
これがもしサッカー選手のパーティーだったらほとんどの人を判別できるのにと、隣で同様に受付をしていた浜田に漏らす。すると浜田は既にこの世の人ではなくなっていて、瞳孔反応はもちろん、口も半開きの状態で、まったくの無反応。フラフラと石田衣良氏に近づいて行きそうになっているのを、あわてて止める。
仕方がないので編集の松村に「社命として、全作家さんに名刺を差し出してきなさい。あわよくば、とんでもない作家が、間違って本を出させてくれるかもしれない、そしてその利益で僕たちの給料も上がるかもしれない、一か八か飛び込んできなさい」と伝えるが、松村はこういったことが非常に苦手なので、「いやいや…」と後ずさりしながら消えていってしまった。
本を売り込むのが下手な営業マンと人見知りの編集者。こんな会社に30周年があるのだろうか…。
最後の最後になってやっと人心地が付き、会場内へ入る。ビールを一杯ぐぐぐっと飲み干す。知った顔である唯一の参加者銀河通信安田ママ(http://www2s.biglobe.ne.jp/~yasumama/)に挨拶をすると、その隣にいらっしゃったのが、なんと僕に半村良氏の著作を教えてくださった長老みさわ氏ではないか。ネット上では言葉を交わしていたが、当のご本人お会いするのは初めての事。あわてて名刺を差し出すと、みさわ氏からキレイな名刺を頂く。HP「味噌倉」(http://member.nifty.ne.jp/misogura/)
もっと長く話していたかったが、すでに時間はなく2次会へ。その2次会では、何も食べずに酒を飲んでしまったせいで、すっかり悪酔い。なぜか浜本にカラミながら、企画の打ち合わせ。せっかく目の前にいろんな人がいるというのに、なんで相変わらず浜本や金子と仕事の話をしなきゃいけないんだ…と思いつつ、浮かび上がったことは、こういうときに伝えておかないと忘れてしまう。
そういえば、どなたか名前を聞き忘れしてしまったが、当『炎の営業日誌』を読んでいますと声をかけて下さった方がいた。うれしいやら恥ずかしいやら。励まし、ありがとうございました。我が、出版記念パーティーは、一生ありませんので…。