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7月20日(土) 炎のサッカー日誌 2002.07

 ワールドカップのせいで、再開後のJリーグの日程がかなり過密だ。先週から考えると、13日(土)、20日(土)、24日(水)、27日(土)。この暑さのなか、約2週間で4試合はキツイ。これで良いプレーをしろというのは無理な話だ。

 もちろんキツイのは選手だけでなく、我々サポーターも一緒。アスファルトにレジャーシートを敷き、そこに座っていれば、照り返しの暑さに死にそうになる。国立競技場の並びの列には、あまり日陰になる場所がなく、ある人は公園内の大木へ、ある人は大江戸線の階段へ、それぞれ避難場所を求めて大移動。まるで真っ赤なホームレスの大群だ。

 僕は、前日の酒ですっかり寝坊してしまい、一番暑い時間の1時過ぎ国立競技場へ到着。先に来ているはずのKさんとOさんの姿を探すが、見つからず、携帯に連絡を入れる。すると酔っぱらったKさんが不思議な言葉を吐き出す。

「いま、築地。マグロ丼を食いながら、ビール。」
「はあ?」
「いや、最高、最高。この後本願寺に勝利の参りに行ってから戻るわ。」

 なんと暑さから避難するため、KさんとOさんは築地の市場へ向かってしまったらしく、いったい何をしているんだ。仕方なく、公園内の日陰を探し、アマチュア野球を観戦。

 試合開始頃には、日焼けで身体が痛い。この暑さのなか、還暦越えサポーターの母親と父親もやってくる。ふたりともレッズのお陰で、すっかりペットロス症候群から立ち直ることができ、元気回復。家を出ている息子としては、レッズ様様だ。

 唯一。いやレッズは14位だから唯二になるのか。とにかく勝ち点たったの6の我がチームより下にいるコンサドーレ札幌戦。こういう試合が大事なのは、過去得失点でJ2に落ちた我々は良く知っている。とにかく勝つことが大事であり、それも勝ち点3が欲しい。しかし格下というほどの差はないだろう。

 レッズは調子の良い選手と悪い選手の差があまりに大きく、まとまった流れで戦うことが出来ない。ここ数試合、エメルソン頼みの展開しかなく、サイドを使った攻撃とか、細かいパス廻しで打開するなんてことはまったくない。見るべきものはエメの個人技とスピードだけ…。

 試合開始早々に1点取られ、追う展開から一気にカウンターを喰らわせエメの1発同点ゴール。こんなんで良いの?と思いつつ、勝つことが大事なんだと情けない希望を持ちつつ、声を張り上げて応援。

 毎年変わらないレッズ。それを変わらず応援している僕。どっちがバカなんだろうか?と考えているうちに延長戦にもつれ込み、嫌な予感が漂い出した国立競技場浦和サポ。今年は、というか今年もというか、とにかくレッズは延長戦が多く、そしてその延長戦で負けるのだ。

 前回紹介した『PRIDE OF URAWA』のコールが終わりそうになったが、ここで辞めてしまってはため息が漏れるだけ。このコールには良い思い出と悪い思い出がたくさん詰まっていて、僕は仙台戦で延々歌っていたことを思い出していた。そしてあのときも延長に突入し、そして、そして福田のVゴールで勝利したのだ。

 ゴール裏は、サポートリーダーの太鼓が止んで一瞬静かになりそうになった。僕は静けさとため息とが恐く、そして選手に負けない気持ちを表そうとひとりでコールを続けた。もちろん観戦仲間のKさんとOさんにもその想いは伝わり、三人で声を出し続けた。

 変な奴らがいるなと思われているはわかったが、コールを辞められなかった。そのうち、近くにいた人達が同調してくれ、ジワジワとコールが広がっていく。願いは宮城スタジアムでの仙台戦だ。それに気づいてくれたのか、そのコールはゆっくりと着実にゴール裏に伝わっていった。

 5分くらい経ったときであろうか。「URAWA BOYS」と呼ばれる浦和レッズの中心サポーター達が、ついに同調してくれ、一気にヒートアップ。

 僕たちの想いが他のサポーターに伝わったことがうれしかった。涙が出そうになり、僕はKさんと肩を組んだ。Kさんの目も少し潤んでいた。

 選手が足を止めないように、僕らサポーターも声を止めてはいけない。Kさんと肩を組み、『PRIDE OF URAWA』を歌い続けた。そして最後にその気持ちは選手に伝わった。

 延長Vゴール勝ち。Jリーグとしては、4月14日想いの宮城スタジアム以来の約3ヶ月ぶりの勝利。疲れは飛んだ。