WEB本の雑誌

7月26日(金)

 とある書店さんで新刊棚をチェックしていた。一番良いところに積んであったのが『たま先生に訊け!』倉田真由美著(双葉社)だったから、「この人過激なこと書いているわりに、結構かわいらしい人なんだよなぁ」なんて思いつつ、奥付を確認。出版営業はついつい刷り数を確認してしまうもの。

 すると隣からちょっとした視線を感じた。うん?と首を捻り、そちらを見ると、僕と同年代のビジネスマンが『サティスファクション』キム・キャトラル/マーク・レヴィンソン著(アーティストハウス発行 角川書店発売)の上から2冊目を抜き取り、急ぎ足でレジへ向かって行った。なるほどなるほど、こういう人がこの本を買うのか…。

 今度は僕の背後からヒソヒソ声が聞こえてくる。聞き耳ダボン化。
「こっちが良いんじゃない?」
「いや、こっちでしょう?」
「前に読んだ、なんだっけ? 地図を読めない女と、えーっと桃じり娘、違う…」
「でも重いよ」
「そうだよな」

 大学生風青年2人組はそんな話をしながら平台に本を戻し、お店を出ていった。二人がどっちを買うか悩んでいたのは『銀座のママが教える「できる男」の口説き方』と『銀座のママが教える「できる男」「できない男」の見分け方』(共にますいさくら著・PHP研究所)であった。うーん、彼らは何を求めて、この本を買おうとしたのか? 「できる男」になりたいのか? それともこの本で夏休みの課題を書こうとしたのか…。

 その後、担当の書店員さんが休憩から戻ってきたので、そちらに向かうと、すれ違い様OL風女性が『白い犬とワルツを』K・テリー著(新潮文庫)を大事そうに抱えているのが目に入った。

 僕はいまだに営業中に自社出版物を買う人に出会ったことがない。これがベストセラーとそうでない本の違いなのか…。ガックリ。