WEB本の雑誌

8月26日(月)

 昨晩から頭の中心部がズキンズキンと鋭く痛く、今朝になってもその痛みは変わらない。きっと子供の風邪がうつってしまったのだろうと、急遽、会社に遅刻の連絡を入れ、病院へ向かう。チビ会社のひとり営業マンは、とにかく病気や怪我が一番怖く、1週間でも寝込んでしまったら、新刊スケジュールはグチャグチャになるし、売上だって落ち込んでしまうのだ。早めの対処が一番。

 月曜日の病院というものは、異様に混んでいるようで、1時間ほど待たされる。その間、頭の痛みは一向にひかず、待合所で騒ぐ子供達の声がツライ。

 やっと僕の診療時間がやってくる。10時23分。
「風邪だと思うんですけど、頭が痛くて…」
 そう申告すると、白髪の医者は、すぐシャツを脱ぐように支持し、聴診器を胸に当ててきた。
「他に症状は?」
「いや、別に」
「ちょっと喉をね」
 と銀色のヘラを口に突っ込まれ、喉をチェックされる。

「喉もどこも風邪の症状はないんだよなぁ、血圧を測ってみようか?」
看護婦に腕を取られ、血圧計がグイグイ締め付けてくる。しかしそこに現れた数字はいたって通常の数値だった。医者は不思議そうな顔と心配そうな顔を混ぜ合わせ、
「どっか頭をぶつけたりしていないですか?」
と聞いてきた。

 頭をぶつける…って自動車事故も起こしていないし、どこかに不意にぶつけるほど背は高くないし、子供はしょっちゅう転んで頭をぶつけてるけど、さすがに僕は…と考え込んでいたとき、パチリとあることを思い出した。

 そうなのだ。土曜日の夜、久しぶりにサッカーの練習があって、僕は163cmのFWとして一番弱点のヘディング練習をやたらに気合いを入れてやっていたのだ。もしかすると、いや絶対にそれが原因で、頭の筋肉痛というか、パンチドランカー的症状で頭が痛いのだ。

「あの、先生…。僕、わかりました、もういいです、ありがとうございました」
 思わず真っ赤になりながら、診察室を飛び出した。アホ過ぎる…。