WEB本の雑誌

9月11日(水)

 今月の新刊『注文の多い活字相談』の事前注文短冊を持って、取次店さんを廻る。毎年3月、9月の決算時期は、仮の売上を立てるため各出版社大量に新刊を出すのが、出版業界の悪しき習慣のひとつになっているので、本日も仕入窓口での長時間待ちを覚悟で訪問。

 ところがところが、N社もT社もガラガラといって良い状態に思わずビックリ。混むどころかいつもより空いているくらいで、仕入担当者に確認すると「昨日は混んでいて、さあ9月が始まったと思ったんですが、今日はこんな状態なんですよ」と首を傾けていた。

 悪しき習慣がついに消えてなくなるのか? それとも出版社が新刊も出せないほど資金力がなくなってしまったのか? ちょっと恐ろしい風景だった。

 そういえば、先日浜本がポツリと漏らした一言も気にかかる。
「あのさぁ、杉江君。ハリーポッターの新刊は上下巻なんでしょ? 新聞に初回200万部とかって出ていたけど、スゴイ量だよね。それが初日に全部完売するわけでもないし、前日には納品されるわけでしょ。書店さんってそんなにストックする場所あるの? もしかしてハリーをストックするために他の本を返本するって可能性ない?」

 こちらも妙に現実味のある話で、ゾッとする。

 6月、7月、8月とワールドカップ以降書店さんの売れ行きは下降気味。どこの文芸担当者も新刊『海辺のカフカ』村上春樹著(上・下)新潮社に9月の売上を期待をしているのがヒシヒシと伝わってくる。小説が売れない時代…。それを打破することが出来るのか? 来週の書店さんのベストに興味津々だ。

◆今日売れていた本
地方小出版流通センター
『中村哲講演集 平和の井戸を掘る アフガニスタンからの報告』(ピースウォーク京都)
「ベストセラーになった『医者井戸を掘る』(石風社)の中村さんの講演集なんだけど、2刷りの3000部があっという間に売り切れちゃって…」