WEB本の雑誌

11月7日(木)

 〆日前のドタバタ営業が続く。ルート通り廻るのではなく、前回廻ったときに会えなかった書店さんをジグザグに移動する。効率は悪いが、仕方がない。

 10月は『ハリーポッター』の影響で多くの書店さんが前年を上回った様子。しかし予想していたどおり『ハリーポッター』の売上が通常の売上にまるまる乗るではなく、かなり通常売上を食った上での前年越え。もちろん出版社への返品も急増したようで、これはハリーの売上のまったく関係ないこちらにとってはツライ状況。

 その『ハリーポッター』の売れ行きで面白いのは、発売週は4巻ばかりが売れていて、一緒に既刊を揃えた書店さんが「参った」と嘆いたのに、落ちついた今は既刊が動きだしたということ。ニュースや新聞であまりに大きく取り上げられたから、あわてて読み出す人が増えているのだろうか。それにしても既にあれだけ売れているのに、まだ1巻やら2巻が売れるというのが恐ろしい。

 それにしてもあの興奮と怒濤の発売を終え、あまりに多くの書店員さんが燃え尽き症候群&体調不良に陥っているのが気にかかる。いつもは元気な書店員さんが「もうなんか疲れちゃって、やる気がね…」なんて下を向かれると思わず何も言えなくなってしまう。そりゃあの重さであの量を売るのは大変だろうし、お客さんの妙な熱気にやられてしまうのだろう。

 そして、その燃え尽きの理由のひとつは、いくら地道に棚や平台を作っても、結局売れ筋さえあれば良いのかというあきらめが含まれているのかも知れない。

 何だか「買い切り」や前フリの使い方や当日の販売方法など、いろいろと考えさせられることの多い『ハリーポッター』フィーバーだったのは確か。書店さんも今回の状況を見て5巻に対応できるし、これから話題の本が出るときは、売場からかなりの仕掛けができることがわかったのではないか。それに、早いお店は既に5巻の注文を取っていたりする。

 まあ、本の雑誌社じゃ何にも活かせそうにないんだけど…。