WEB本の雑誌

11月15日(金)

 朝イチで会社を飛び出し、神保町のS書店さんを訪問。担当者さんがお休みだったので営業らしい営業は出来なかったのだが、かつて新宿のK書店さんで働いていたYさんが前日からこちらの書店さんで働いていることを知り、ビックリ仰天、旧交を暖める。いやはや、こういう再会は嬉しいものだ。

 昼飯を移動時間にあて、千代田線に乗り込み、一路柏へ。久しぶりにお会いできたW書店のO店長さんと「恥ずかしくて人には言えないけれど新刊が出ると絶対買ってしまう作家」について話を咲かせる。もちろんここにその答えは恥ずかしくて書けないが、互いに挙げた作家が意外に店頭で売れていることを知り、でもそれらの本が書評に載ることもないのでやはりみんな隠れて読んでいるんだと納得。

 それから駅の反対側に移動し、文芸書から人文その他沢山の担当になってしまったS書店のMさんを訪問。いつもはMさんの元気にこちらが癒されるのだが、とてつもない仕事量にMさんもさすがにグッタリしている。いつもと逆に僕が励ます展開になったのだが、何せ役不足のため効果は不明。うーん、人を勇気づけられる人間になるには、付け焼き刃の人間性ではダメということだろう。とにかく年末に忘年会を開くことを約束。

 その後、新松戸、綾瀬、千駄木と営業。会えたり会えなかったりするが、とにかく訪問することが大事と気を引き締める。

 そんなこんなであっという間に6時となり、予約を入れていた歯医者へ向かう。既に治療は終わっていて、残すは歯石取りだけなのだが、これが予想以上に痛いのなんの。ただMっけの強い僕にはかなりイタ気持いい快感。ちなみに注射も大好き。

 さてさて妙に濃密な一日はここからが本番で、この後、池袋へ移動し、L書店のYさんやKさんと酒を飲み交わしたのだ。

 僕、かつてからこのYさんを尊敬していて、いつかYさんの下で働いてみたいと考えているだが、今日の話を聞いて考え直す。なぜならYさん、平積みのハードカバー丸背本が、平台から取り上げるときに引っかかるのが嫌いで、平台に積むときは下敷き一枚入る隙間を作るというのだ。その話は前にも伺ったことがあったけれど、さまかそれを本当に実践しているとは信じていなかった。

 ところがところが、部下のKさんに話を聞くと、Yさんは本当に下敷きを持って店内をチェックしているというではないか。その心遣いに尊敬の念は一段と増したが、とても僕のような適当で大ざっぱな人間にYさんの部下として働く資格はないことを悟る。

 ああ、秀でる人というのは目に付かない努力をしているんだ…と納得しつつ、終電で帰宅。