WEB本の雑誌

12月13日(金)

 会社側に都合良く働いてもらっている助っ人アルバイトは、その不安定さから大学生しか採用しないようにしているのだが、今夏、入社したO君は大学生ではない。これは異例中の異例なのだが、O君の礼儀正しい対応に浜田が惚れ込み、僕は自分と似た経歴にちょっと興味を持ち、採用したというのがその理由である。まあ、ある程度キッチリ継続的に来られる人間を求めていたという都合の良い事情もあるのだが…。

 本日そのO君に仕事を頼み、すぐさま同方向にもうひとつ仕事があることが判明。あわてて追いかけたが彼は、すでに10号通りの彼方に消えていて、その足の速さに驚く。事務の浜田に聞いたところ、彼はお届けや納品の時、走って向かっているというではないか! 通常、大日本印刷へのお届けを頼むと1時間以上かかるのに、40分くらいで帰ってくるらしい。信じられないほど真面目な仕事への姿勢に、僕は驚嘆とともに賛辞を送った。

 ところが、そのとき一緒に働いていた他の学生達からこぼれた一言は
「変わった人だよね…」だった。

 確かに変わっているかもしれない…。
 同じ時給で働くならゆっくり働いた方が楽だし、なかには調べものの最中に自分の本を買ってくる助っ人や寄り道をして帰ってくる助っ人がいるのは知っている。それは安い時給だから見て見ないフリをしている部分もある。

 でもでも、彼はとにかく一生懸命なんじゃないのか? 仕事を覚え、それを一分でも早く済ませるために工夫しているんじゃないか。走ることが大事なんじゃなくて、その姿勢が大事だと思う。

 自分と違うことをする人を「変わっている」で済ませるのは楽だけど、意外とそのなかに自分にないものが存在している場合は多い。

 僕は、O君は決して変わっていないし、間違っていないとも思う。それどころか見習おうと考えてさえいる。