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12月15日(日) 炎のサッカー日誌 2002年 最終回

 いったい何度、僕らはこの薄暗い駒場スタジアムの通路をうなだれて帰ればいいんだろうか?10年間、ほとんど同じことの繰り返しで、進歩や成長あるいは上積みなんてものはどこにも存在していないように思える。あるとしたらそれは負け試合の選手の逃げ足の早さくらいだろう。

 この日は天皇杯3回戦で、アビスパ福岡に逆転負けを期す。何もJ2チームに負けたことが腹立たしいのではない。J2とJ1で差があるのは事実だが、浦和レッズがJ1に居続けられるチームにはなっていないことを僕らは知っている。だからこそ、気を引き締めないと危ないよな…と試合前に仲間うちで話し合っていたのだ。

 ところがところが浦和レッズにはまるで意思統一がなく、目的もなく、ただバラバラに11人がサッカーをやっているだけだということがキックオフ直後にわかる。サッカーと呼べる代物でなく、単なる玉遊び。何のためにこの寒さの中、待っていたんだと怒りを覚えつつ、久しぶりに苦行という言葉を思い出す。

 何も負けるのがいけないんじゃない。サッカーは勝負事だからそのときその瞬間で何かが起こり、黒星を期すことがある。運不運はかならずどちらかのチームに微笑むわけで、それは仕方ないということを僕らは知っている。だからこそ選手に求めているのは、常勝ではなく、勝とうとする姿勢である。8連勝に時に喜んでいたのは、その結果もあるけれど、選手がまとまり勝利に対してどん欲に向かっていたからだ。

 ライン際でボールを出さないように飛び込む。届かないと思われるセンターリングに必死で反応する。ここぞというときにはリスクを犯してでもDFが前線に上がる。相手ボールのときに思いきりアタックする。そういうことの繰り返しで、ゲームの主導権が移っていくんじゃないか。頼むから11人全員が、勝つために必死になってくれ…。

 今年もサポーターの夢である、元旦を国立競技場で迎えることが出来ず、サッカーシーズンがいち早く終わってしまった。後半の成績は8連勝8連敗。エンターテナー本領発揮というところなのだろうか…。

 10年間、何も進歩もないチームは今後変わる可能性があるのだろうか? そんなチームを応援し続ける意味があるのだろうか? 仲間と会話もせずに家路に就く。淋しい年末だ。