WEB本の雑誌

12月20日(金)

 とある書店さんで、売れ行きの良い『本の雑誌』1月号の在庫を確認する。そのとき雑誌担当者さんが不在だったので、文芸書担当者さんと棚をチェック。平台にも面陳にもなく、また棚にもない。いわゆる売り切れの状態だった。

 まだまだ次号が出るまでには時間があるし、売れ行きももう少し止まらないだろうと追加のお願いをする。しかし古くからつき合いのある文芸担当者さんが妙なことを話し出す。

「あのね、杉江君。『本の雑誌』ってコードが入ってないでしょう。でね、今はPOSでレジ打ちしていくじゃない。そうすると『本の雑誌』は手打ちになっちゃって、分類もその他なのよ。そうすると売上は雑誌売上に計上されないから、担当としては自分の売上にならないわけ。わたしなんか古い書店員だからそういうの関係なくお店全体のことを考えちゃうけど、今は会社も担当ごとの前年比やら予算やらがうるさくなっているから、そういう本を売ろうとする意識がなくなるのよ」

 目からウロコが落ちる意見に思わず脱帽。

 確かに「ハリーポッターが売れていて一安心ですね」と文芸書担当者さんに話を伺うと「あれは児童書コードだからこっちでいくら売ってもね…」なんて困惑顔をされたことが何度もあった。それが自社の本で起こっているなんて何とも情けない話だ。20年以上前のやり方とほとんど変わらず本を作り続けている本の雑誌社。発展していく売場のシステムから取り残されてしまったのだろう。まさにアナログからデジタルへの過程で立ち後れてしまっていたのだ。

 しかしそれにしても、人までそんなデジタルになっちゃって良いのか?なんてちょっと反論を試みようかと思ったら、話をしていた文芸担当者さんが気持ちを察してくれて、追加注文をくれる。
「これはこっちで売るからさ、わたしの方に持ってきてね」

 ああ、いつまでもこのような書店員さんに甘えていてはいけない。会社に戻って浜本と少し話し合う。