WEB本の雑誌

12月24日(火)

 クリスマスイブ。

 僕には何ら関係のない行事なのでいつもと変わらず営業に出かける。こういう日は渋谷や新宿といった都心部からできるだけ離れないと仕事にならない。本日は直行で立川。

 駅ビルルミネのO書店Hさんと本の話をしていたら、なんとジョージ・P・ペレケーノスの名前が挙がりビックリ。この著者、とてもシンプルなハードボイルドに友情や血族、あるいは市井の人間が生きていく誇りを描くのがうまく、今、僕が一番ひいきにしている作家のひとり。

 しかし哀しいことにその面白さがうまく行き渡っていないようで、あまり同好の士に会えず、また翻訳が打ち切られる可能性がある…という噂も耳にしていた。いやはやHさんが読んでいるなんて嬉しいかぎり。こういう出会いがあるから出版営業は辞められない。

 さてさて、立川から新宿に向かって各駅停車の営業をしていたが、都心部が近づくに従ってカップルが多くなっていく。身を寄せながら電車の中で囁き合う男女を見つめつつ、この人達全員がプレゼントに本を買ってくれたら出版不況なんてぶっ飛ぶのに…なんてまったくクリスマスらしくない現実的なことを考えてしまう。

 ちなみに僕、出版不況を嘆いていても仕方がないので、数年前からプレゼントは本と決め、片っ端から何かあると本を贈るようにしている。本が贈り物に向かないというのは、文芸書を考えるから難しいのであって、実用書は意外と喜ばれるものだ。

 例えば子どもが出来た友達には出産や育児の本を、マンション購入を呟いていた友人にはその手の購入本をと。こういう本は自分で買おうとすると何だか損した気分になるもんで、人からもらうと有り難い。僕だってサッカーの教則本をもらったらうれしい。

 というわけで、今回のクリスマスでは、5歳の甥っ子に動物と昆虫の図鑑を贈り、自分の娘には「おかあさんといっしょ」の歌本を贈り、妻にはパン作り本とカリスマ近藤則子の収納本をプレゼント。

 かなり喜んでもらえたような気がするが、このプレゼント本の難しさは、同じ本を2度贈ってしまう可能性が高いということ。妻にあげた近藤則子の1冊は、すでに妻の本棚にささっていた。自分の本棚の本も覚えられないのに人にあげた本なんて覚えていられるわけがない。