3月17日(月)
レッズの敗北のせいか、天候の不順のせいか、それとも昨日寝過ぎたせいか、憂鬱な気分に心を支配されてしまった。何もやる気が起きず、人と会うのが苦痛を感じるほど、ヒドイ状態だ。
しかしそうはいっても仕事は山積みで、サボるわけにもいかず、とにかく書店さんに向かうしかない。向かう先は僕の大好きな書店員さんのいるお店のひとつ。そうでもしないと言葉がでなくなりそうだったのだ。
その大好きな書店員Yさんに挨拶をし「最近売れ行きはどうですか?」と質問したところ、Yさん僕以上に憂鬱な人となってしまった。
「もうさぁ、信じられないくらいヒマなのよ。売れなきゃ補充も少ないし、追加注文に焦ることもなくて。ほんとに文芸書まずいよね。他の担当の人に謝りたくなるわ」
書店さん売れ行きが悪ければ、出版社の売上も悪いわけで、この日とある出版社からYさん宛に電話があったそうだ。
「いつも月曜日は広告の影響とかで注文の電話が鳴りやまないのに、ここのところ月曜に電話が鳴らないんですよ」
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Yさんはその後自店の売れ行き不振の理由のひとつとして、近くのお店に『検索タッチパネル』が導入されたことを挙げた。思わずその話を聞いていて、僕は呆然となる。あれってそれほど重要なものなの? あれがあるからってそのお店に行く動機づけになるの?
ところがどうもあの機械がかなり重要で、今のお客さんは欲しい本のその場所が端的に知りたいらしいのだ。在庫があるかないかのふわふわした気分で棚を楽しむなんてことはなく、すぐさま欲しい本を手に取りお店を後にしていく。
例えば爆発的なベストセラーでお店のそこかしこで平積みになっている本ですら、探す気がまったくなく、いきなりカウンターで在庫を聞き、店員さんが持ってくるのを待つという。いやベストセラーほどその傾向が強い。いやはや、あの機械ほど書店さんの面白みを無くすものはないだろうなんてちょっとひねくれて考えていたのに…。
やっぱり本と本にまつわる状況は刻々と変化している。