WEB本の雑誌

4月1日(火)


 通勤電車にピカピカスーツがぞろぞろいて、満員電車の無秩序の秩序が狂う。そのことでイライラしつつ、今日がそういう日なのだと思い出す。

 いかんせんこのチビ会社は僕が入社して7年が経とうとしているのに、僕以降、誰も入ってこないからだ。新入社員も新人研修もまったく別世界の話。そういえば、最近当HP宛に、資料請求してくる学生さんが多いけれど、大変申し訳ないことにその資料すらない。というか未だに社内規定も見たことがないんですけど…。

 前回、最悪の不確定公休日に当たってしまった本厚木のY書店さんを訪問。担当のYさんが休憩に出ていたので、しばらく店内をぶらつく。こちらのお店、要所要所にセンスの良い手書きポップが立っていて、非常に面白いのだ。

 本日もそのポップを眺めながら店内を物色していると、僕の大好きなニック・ホーンビィの著作が多面展開されていた。そこにもしっかりポップが添えられていて、ニック・ホーンビィが楽しめる読者の傾向がいくつか書かれていた。どれかひとつでも思い当たる人は、ぜひとコメントされている。

 もちろん僕はその傾向すべてに当てはまっていて思わず笑ってしまったのだが、僕がそのワゴンから離れてすぐサラリーマンがポップを読み込み、購入していったのには思わず感動。ポップの力って本当にスゴイ。

 担当のYさんが戻り、そのことを話すと、でもですね…とちょっと苦い顔をされる。
「これが先週の文庫のベスト10なんですけど、全然新刊が入ってこないんですよ」

 なるほど確かにその一覧を眺めてみると、今、ポップからプレイクしている作家が並んでいた。書店さんにしてみたら、きっとポップなどはプラスアルファの売上として計算されており、それとは別にきっちり柱として新刊売上が必要なのだろう。でも、この逆転現象はしばらく続きそうだし、それこそYさんのお店のように努力されているお店は一段とその傾向が強まってしまうのではないか。うーん、良いんだか悪いんだか難しい問題だ…。

 その後は、お互い最近読んだ本の話で盛り上がる。僕はアホみたいに金城一紀を推薦し、Yさんからは小谷野敦と『宮殿泥棒』イーサン・ケイニン著(文春文庫)を推薦され、それを購入しお店を後にした。

 うん? 『宮殿泥棒』って柴田元幸さんの翻訳ではないか? ああ、先週こちらを訪問して買っていれば、翻訳文学ブックカフェの場で、サインしてもらえたのか。何だかちょっとミーハー心がくすぐられ、後悔。