WEB本の雑誌

4月10日(木)

 夜遅くまで酒を飲み、その後目黒とふたりでラーメン屋へ。こういうシチュエーションは入社以来初めてのことで、何だかちょっと緊張してしまう。何か小言を言われるのか、それとも今後の方針を話されるのか。カウンターに置かれたラーメンを眺めつつ、箸を付けていいものかしばらく戸惑ってしまった。

 しかし誘った本人の目黒は心地よく酔っぱらっている様子でズルズルとラーメンを啜りだす。なんだこれはただただ普通に酔って小腹が空いたからラーメンを食うだけなのか。

 その瞬間、入社して7年近くも経っていながら、初めて本の雑誌社の社員として認められた気がした。

 何だかこの感覚をうまく伝えられるかわからない。
 でも、感じているままに書こうと思う。

 僕はこの本の雑誌社に入社して7年が経とうとしている。しかし、それでも、やっぱり『本の雑誌』を含むこの会社は、椎名と目黒の会社だと感じている。いや、もう少し広く『本の雑誌血風録』や『本の雑誌風雲録』に出てくる創刊から10年程度の間に携わった人達のものだろうと考えている。

 あるいはこういう言い方もできるかもしれない。
 椎名や目黒はその頃のメンバーを愛している。その頃在籍していて辞めていったスタッフや失敗談を話すとき、二人はとても幸せそうで、その親密な距離感に後から入社した僕は近づくことができない。それはもしかすると逆に椎名や目黒が既に大きな存在になってしまってから入社しているため、こちらが勝手に身構えているのかもしれないが…。

 とにかく未だに僕は、この会社に浅く腰掛けているような浮ついた気分で働いている。それは読者や書店さんの持つイメージとはまったく関係なく、僕自身の感覚である。もしかしたら創刊時を知らないコンプレックスなのかもしれない。

 なんだかやっぱりうまく書けない。

 ただ、この日。目黒と深夜遅くにラーメンを啜ったとき、ああ、これでオレも本の雑誌の一員になれたと安堵感に包まれた。なぜだかわからないけれど。