4月19日(土) 炎のサッカー日誌 2003.03
負けた試合の後、サポーター(観戦仲間)はどのような行動をとるか。
まず僕の父親と母親はいち早く会場を後にする。二人とも60歳を過ぎているので人混みが危険だからだ。
そしてOさんが深い溜息とともにレプリカユニを脱ぎ捨てる。Kさんは下を向いて、うんざり顔で脇に立っているポールを蹴飛ばす。僕は何度も舌打ちしながら、床に敷いていたシートを乱暴に丸めカバンに詰め込む。最近はじわじわと一緒に観戦する仲間が増えていて、AさんやYさんやKさんも僕らと同様、深い怒りと悲しみ背負いつつ帰り支度を進める。
その間一切互いに会話はない。
誰がダメとかフォーメーションがどうしたとか、そんなことは正直どうでもいい。とにかくいち早くこの世で一番不幸な場所を離れたい。
そのまま会話もなく、出口に辿り着き、そこで少しだけまともな人間性を取り戻す。翌週も試合があれば「じゃあ、また来週」と手を振り、別れていく。
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ここのところレッズは負け続けている(先日やっと連敗を止めたが、それはアウェーでの出来事)ので、ほぼ半年近く、僕ら観戦仲間は笑顔で別れることがなかった。
この日の京都パープルサンガ戦も、試合前の雰囲気はよくなかった。負け癖がついたというか、ここまで負け続けると勝つということがよくわからないというか、とにかくネガティブな雰囲気に捕らわれていた。誰も勝負のことは口にしない。
それが何と、あっという間の開始53秒。
わがまま遅刻小僧のエメルソンがゴールを決めてしまうではないか。
いったい今までの苦労はなんだったんだと思わないわけにはいかない、が、待望のゴールがうれしくてたまらない。OさんやKさんと久しぶりに抱き合い、歓喜のコールに身をゆだねる。
それにしてもゴールが早すぎる…。サッカーは90分間のスポーツだから、この後89分も試合が続くわけで、その長さといったらもう。とにかく早く終わってくれ、勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい。その一心で応援を続けた。
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その後、後半12分に鈴木啓太が点を入れ、終わってみれば2対0の勝利。
ホーム試合でいえば、昨年10月19日以来の勝利である。
観戦仲間と満面の笑みで別れた。幸せってこういうことをいうんだよな。