WEB本の雑誌

6月23日(月)

 大好きな書店員さんのひとり、池袋のL書店Yさんを訪問。

 しかしYさんは忙しそうに新刊出しをしているではないか。
 仕方ない今日は挨拶だけして退散しようと考えつつ声をかけると、ちょうどその新刊を出し終われば休憩に出るところとのことで、一緒にお茶に行くことに。いやはや絶好のタイミングだった。

 しばらく脇に立ってYさんの新刊出しを見つめる。

 Yさんは台車の新刊と、既に平台に積まれている新刊を交互に見つめ、外す本と新たな置く本の場所を頭の中で描いていく。目は真剣そのもの。そして、新たに積む本を平台に置くと、隣合う本に下敷き一枚入るくらいの隙間を開けていく。

 かつて、その<隙間>についてYさんに質問したことがあった。
 「ハードカバーの本が背と小口が噛み合っちゃうと取りづらいし、あとあと平台がぐちゃぐちゃになるからイヤじゃん。」と当たり前のように説明してくれた。
 そのとき僕は思わず「LOVE!」と叫びそうになった。

★   ★   ★

 新刊を出し終わり、二人でお店を後にしようとしたところ、とある出版社の営業マンがYさんに声をかけて来る。

「○○社ですが」と名刺を差し出し、Yさんはその社名を確かめると、もう間もなく休刊になる雑誌名を挙げた。

「そうなんです。で…」
 同じ営業マンであるからこの後に何か注文を取ろうとしている本があるのだろうと考えつつ、僕は邪魔にならないよう2、3歩離れようとした。その瞬間Yさんが先制パンチを繰り出す。

「あっ、バックナンバーフェアだったらやらないよ!」

 いきなりのカウンター。それもクリーンヒットしてしまったようで、営業マンは呆然とし、言葉を無くす。1R開始3秒のKO負けか…。

 しかしダウン寸前の営業マンに向かってYさんはそっと肩を貸す。

「そういうのはどこも一緒で面白くないじゃん。違う切り口のフェアをやろうよ」

 僕は心の中で「LOVE! LOVE! LOVE!」と叫んでいた。