WEB本の雑誌

6月24日(火)

 今年から8月号で行うことにした『本の雑誌』の特大号の定期改正書を持って、取次店を廻る。

 取次店仕入窓口のタイムスケジュールが、午前までが今日、午後からは明日という変則的なものなので、日頃は午前中=今日に間に合うよう駆けずり廻ることになるのだが、定期改正は余裕があるから気楽な午後訪問。しかし午後は空いているわりに、新刊点数の多い出版社がじっくり仕入部数の交渉をしているので待ち時間が長い。まあ、仕方がない。

 それにしても書店さんから注文をほとんど取らず、仕入交渉している出版社があまりに多いのに愕然とする。例えばこの日僕が待っているときに交渉していた某出版社は、手元に持っている書店注文分が10件分くらいで、配本は数千部を希望しているではないか。それが出版界の常識といえば常識なのだが、実際の注文がないものをこれだけ勝手に動かしていいのだろうか?

 かつてとある書店員さんは「勝手に送られきた新刊はそのまま返品しても気にならない。でも自分が注文した本は、すぐ売り切れなくても、あっちに置いてみたりこっちに置いてみたりしながら意地でも売ってやろうと気持ちになる」と話していたっけ。

 パターン配本が、楽なのはわかるけれど、あまりに依存し過ぎるのは危険じゃないか。

 また先日訪問した、とある書店の仕入担当者さんは「最近おたくのチェーンにこれだけ配本するから、あとはそちらで各支店の振り分けを決めてくれっていう出版社が多い」と嘆かれていたっけ。これなんかまさに出版社が楽をする方策のひとつで、また配本に関しての責任逃れでもあるのだろう。

 今は書店さんを廻らなくても、ネット上の売上が見える。しかし、それでもメーカーである出版社は絶対に書店店頭を訪問すべきだと僕は考えている。なぜならネットを通して見られる数字なんかよりも有益な情報が売場にたくさん転がっているからだ。

 売れた理由も、売れない理由も。そして何よりそこにお客さんがいるのだから…。