WEB本の雑誌

8月14日(木)

 さすがに今日辺りはお盆休みで電車もガラガラかと思いきや、意外とスーツ姿のサラリーマンも多く、日本企業の休暇の取り方も変わってきたのだと実感する。いや、もしかしたらリストラに継ぐリストラで、どこも人が足りずに出社しているだけかもしれないが。まあこちらはリストラ以前に人出不足に悩むひとり営業マンなのだが。

 そんな不平を言っていてもしょうがないので、サラリーマンの中心地・新橋のS書店を訪問すると、N店長さんはお休みとのこと。ガックリしつつ「そうえいば毎年夏には娘さんと山登りに行っていましたね、いつも朝から晩まで働き続けですから、良いリフレッシュになるといいですね」と文芸担当のSさんに話を振ると「それでもお店が気になって電話を入れてくるんですよ」と笑われる。

 そうなんだ。『本の雑誌』2001年11月号で「全日本最優秀書店員賞の選考基準を考える」という座談会をやったことがあるのだが、そのとき業界全体で休む日を作ってほしいという願いが挙がった。

 それはいくら自分が休みでも、お店が開いていたり、流通が動いている限り心の底から安まることはないという話で、確か誌面上ではカットにはなったけれど、のんびりテレビを見ていたらいきなりとある本が取り上げられて、そうなるともう落ち着かず、店内在庫を思い出し、思わず家から出版社へ発注してしまったとか。

 まあ、ダメサラリーマンの僕でも代休をとって平日に休みを取ると落ち着かないもので、書店員さんの場合、基本的にいつもお店が開いている日に休みを取るのだから、毎回あんな気分でいるのは辛いだろう。

 それでもとにかくいつも働き過ぎのN店長さんが少しでもリフレッシュできることを祈りつつ、お店を後にする。