WEB本の雑誌

8月15日(金)

 お盆休みのないこの悲しいチビ会社のひとり営業マンの実状を世間様に知ってもらうため、毎日この日記を更新しようと考えていたのだが、結局今週になってほとんど更新することが出来ずにいる。これでは本当は休んでいるのに働いているフリをして日記を書いているのではないかと勘ぐられそうで、悔しい。

 今頃になって梅雨が来たのか、相変わらず毎日雨が続く。気温もまったく夏らしくなく、夏好きの浜田は恨めしそうに空を眺め、カンカン照りの太陽がやってくることを祈っているではないか。

 くくく。まったく外に出ない内勤者は四季を楽しめて良いもんだ。こちらはこの異常気象のおかげで上着を着て汗もかかず、書店さんのなかでクーラーの吹き出し口を探すなんてアホなこともせずに済んでいて、今年の移り気なお天道様に感謝しているというのに。ただし、雨は余計で、本の売上も芳しくないようだ。

 しとしと降り続ける雨のなか、今月の新刊『ありふれない一日』を持って取次店さんを廻る。T社の仕入窓口Uさんから「杉江さん歩いて来たんですか?」と驚かれ、あわてて自分の姿を見直すと、左半身がずぶ濡れではないか。うーん、傘をさすのが下手な人間っているんです。おまけに足下がビショビショでこちらは歩くのが下手ということ。

 さすがにお盆中の取次店の仕入窓口は空いていて、いつもとまったく違う雰囲気。もし業界全体で過剰気味の新刊点数を減らすことになったら、毎日がこんな感じになるのか。それはそれで恐ろしい気がするが、ベテラン書店員さんに話を聞けば今が異常だと言われるだろう。

 昼過ぎに会社へ戻り、その後は夜の9時まで目黒と金子と座談会。

 こちらの座談会は9月の新刊『笹塚日記 親子丼篇』に写真や注釈とともに、顧問VS部下対談を収録しようという試み。目黒のどうしようもない生活に思い思いの突っ込みを入れたのだが、果たしてこれを読者の皆様に楽しんで頂けるのか不安に陥る。本を売るのも難しいけれど本を作るのもやっぱり難しい。