WEB本の雑誌

1月5日(水)

 明けましておめでとうございます。

 2005年は、本の雑誌社にとっては特別な年です。
 それはたぶん創刊時には誰も想像していなかったであろう創刊30周年を迎える年だからです。僕はたまたまその30周年目に立ち会うことになりましたが、ここまで多くの方々の支えでこの雑誌が、そしてこの会社が在り続けたのは間違いないわけで、その末席を汚さぬよう、今年も頑張って営業して参ります。

 またこの「WEB本の雑誌」も今年の9月で5周年目に突入です。初めはパソコンを始めたばかりの目黒と浜本を中心に大丈夫なんだろうか?と心配しながら開設されましたが、バックアップメンバーの熱意によって、どうにかここまで成長して来られたと思います。このWEB本の雑誌がなければ、出会うことのなかった読者の皆様もたくさんおり、秋には大々的なお祭りができればと考えております。(って勝手なことを言ってはいけないな…これはウソです、たぶん)

 とにもかくにもそんな2005年。
 今年もよろしくお願い致します。


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 新年だろうが、仕事始めだろうが、ひとり営業マンの仕事は、いつもと変わりがなく、ただただひたすら書店さんを廻って、注文をいただくこと。唯一の違いは初めの挨拶が「こんにちは」から「明けましておめでとうございます」に変わるだけか。

 2005年一発目の営業は、朝イチで注文を頂いた新宿・紀伊國屋書店本店さんへ『本の雑誌』1月特大号の直納だ。新年早々直納だなんて嬉しい限り、新春気分溢れる新宿の人並みをかき分け、お届けし、仕入れのHさんや1FのHさん、Kさんにご挨拶。

 こちらの紀伊國屋書店さんでは、昨年より店員さんが選んだ自発的なベスト10を制作していて、その名も『キノベス』というのであるけれど、これがなかなかの推薦本の山でいやはや立派。おまけに『本の雑誌』でもできないカラー刷りの小冊子まで作っていて、しかもベスト1に選ばれた恩田陸さんの原稿まで入っていて本格的なのだ。

 うん? 本の雑誌のベスト10は一方的に決めるばっかりで著者のコメントをもらったことなんてなかったな。そういうのはどうなんだろうかと思ったが、ベスト1の理由が、一番声のデカイ推薦だったからなんていうことはとても著者に説明できないか。

 それにしても昨年の本の雑誌ベスト10を決める座談会は非常に納得がいかない。なぜに僕が休んでいるときに開催するのか? しかも電話で聞いてきたから思い切り熱く語ってやろうかと思ったらあっけなく切りやがるし。くー、本当だったらアノ本をもっと上にして、あの本をランクインさせなんて、悔しさいっぱいだ。今年は見てろよ、浜本に、松村め!!

 そんな怒りを感じつつ、書店店頭を眺めていると、年末に浜本がぼやいていたように「ランキング」ものや「本」ものが増えた気がするなぁ。おまけに似たような雑誌に堂々と顧問の対談が載っていたりして、これはいかがなものなのか?

 そのことは発行されてすぐに顧問にも発行人にも伝えたんだけど、まったく危機感を抱いてない様子で、それが30周年を迎える余裕であるなら良いんだけど、平台という限られたスペースを争っている営業からみると、ひとつでも同様の範型の似た企画の本が出れば、それだけスペースの取り合いが大変になるわけで戦々恐々なのである。

 本日もその辺を気にしながら店頭を覗いていたのだが、やはり『本の雑誌』は1、2冊の棚差しになっているお店が多く、その他諸々が平積みになっていたりして。しかしよくよく考えてみると来週には2月号が出るわけで、こんな時期に山のように平積みされていたら、そっちの方が怖いことに気づく。

 とにかく発行人も、顧問ももう少し考えるようにと呟きつつ、そういうことを考えないから30周年を迎えられたのかも、なんてことも思わないわけではない。

 何だか歯切れの悪い一発目の日誌になってしまいましいましたが、今年もこの『帰ってきた炎の営業日誌』を宜しくお願い致します。