WEB本の雑誌

2月4日(金)


 どこの書店さんを訪問しても、1月の売上は悪かったという話題に。それでも僕が「他も悪いみたいですよ」と話をすると皆さんちょっと一安心される。

 目立った新刊もないし雪などの天気の影響も大きな要因なんだろうけれど、それだったら大寒波で大雪らしい(関東はまったく雪がないんです)2月も悪いのではなかろうか。8年ぶりのプラス成長の後に、記録的なマイナスなんてことにならなければいいんだけど。

 下北沢を訪問後、昨日の続きで渋谷、それから恵比寿、目黒、五反田と営業。

 そんななかとある書店さんの文庫売場で「本の雑誌が激賞した作品…」との出版社作成看板が掲げられていて、あわてて何だ何だ?と確認に走る。てっきり『バッテリー』あさのあつこ著(角川文庫)にでも付いているのかと思ったら、『ジョッキー』松樹剛史著(集英社文庫)でビックリ。

 うーん、確かに『ジョッキー』は面白いと思うし、『本の雑誌』2002年2月号で競馬本大賞に選ばれ、その翌月号の「新刊めったくたガイド」で吉田伸子さんが誉めているけれど、それが「本の雑誌が激賞した」に変換されてしまうのは、なんだかなぁ…な感じ。

 『本の雑誌』の誌名のことだけでなく、最近いろんなところでいろんな人の推薦帯を目にするけれど、そこに名前を使われるってことは、当然推薦の責任を持つことになるのだ。だから、もしその作品を面白くないと感じる人がいたら、著者はもちろん推薦者の信頼も一緒に落ちることになるのだ。

 だから帯に名前を貸す人はもっと気を付けた方がいいんじゃないかなんて思うけれど、その点、顧問・目黒(北上次郎)は本当に面白い本にしかコメントを出さないから、市場に影響を与える書評家になったのだろう。