WEB本の雑誌

3月17日(木)

「すぎえ~!」

 二日続けて、パーテーションに仕切られた禁断の社長スペースの奥から社長に呼び出される。昨日同様、一応体育会系の従順な僕は、すぐに駆け寄っていく。

「あのさぁ~、3月14日の日記なんだけど……」

 今度は何だ? 悪口は昨日書いたし、そもそも最近は継続は暴力なり、じゃなかった力なりで、
さすがに4年半も書き続けていると、何も書かない人間は文句を言えなくなるらしく、この営業日誌に対するダメ出しを浜本がするなんてこともなかったのだが。

「ファンのことを考えなさい、ファンのことを!!」
「は?」
「せっかく清原さんの単行本未収録作品集を出版すると書いておきながら、書名だけでどうするんだ。どのタイトルがどの巻に入るか書かなきゃ、ファンの人は困るじゃないか。ファンの一番欲しい情報を提供するのが営業だろう」

 ムムム。まさか世界一冷たい発行人の口からファンなんて言葉が飛び出すとは想像もしなかった。いつもは僕が「ファン(読者)のためにはこうした方が良いんじゃないですか?」なんて発言すると「お前のいうことは正論だけど…」なんてたしなめられているというのに。うー、人間変わるもんだ、って何で変わったのかわからないけれど。

「とにかくもっときちんと『清原なつの忘れ物BOX』全2巻について、営業日誌に書きなさい。お前のあーだこーだはいらんからな。これ社長命令! じゃあ、いってヨシ!!」

 というわけで僕のあーだこーだは一切抜きで、詳細を書きます。

『清原なつの忘れ物BOX』全2巻 5月中旬発売予定

第1巻『サボテン姫とイグアナ王子』
A5判並製 216ページ 予価:本体1300円
収録作品:「サボテン姫とイグアナ王子」「五月の森の銀の糸」
「さよならはまにあわない」「カッパドキアの秋」「ヴォーカリーズ」
「ロストパラダイス文書」「とまとジュースよ永遠に」

第2巻『二十歳のバースディ・プレート』
A5判並製 216ページ 予価:本体1300円
収録作品:「二十歳のバースディ・プレート」「夏時間」
「お嬢さんお手やわらかに」