3月18日(金)
「すぎえ~!」
三日連続、社長に呼ばれるが、本日はパーテーションに仕切られた禁断スペースからではなく、ここは新宿・池林房の座敷の一角。
「そこのしょう油取ってくれ。そういや杉江は生魚を食べられなかったな。じゃあ、これはみんなオレのってことか」そういいながら、浜本は赤貝の刺身を一気に三切れ、口に突っ込んだ。
そう本日は助っ人アルバイトの送別会で、珍しく社員アルバイトと顔を揃え酒を酌み交わしているのである。
そもそも本の雑誌社というと体育会系で宴会ばかりしているイメージがあるかもしれないが、これだけの少人数で月刊誌を作るとなると、実はほとんど飲みに行く時間もなく、年に数回したみんなで飲むなんてことはない。いやみんなで飲むってことだけでなく、数人で飲むってこともない、非常にドライな会社なのである。
ううっ。ここまで書いてふと気付いたのだが、もしかして飲んでないのは僕だけで、みんなは仲良くしょっちゅう飲んでいるのかもしれない。何せ僕は高校の同窓会にも呼ばれない嫌われ者だから、ここでもそういう扱いを受けている可能性は大である。どうなんだ、浜田? オレは嫌われるのにはなれているからハッキリ教えておくれ~。
まあ、とにかくこうやって飲むのは、推定一年ぶりで、飲ミニケーションなんてのを取るために、酔った勢いで各自それぞれに座右の書を挙げさせてみる。
そして「ふーん」と関心したのは、相変わらずW村上は人気あるなってことだった。助っ人数人が二人の著作を挙げているではないか。あとはこちらもいつの時代も読まれているんだなと実感したのは『深夜特急』沢木耕太郎著(新潮社)。編集長の影響で旅好きな学生が多くいる影響もあるのだろうが、その書名を助っ人のツバサ君が挙げたとき、うんうん頷く奴がいっぱいいたのだ。
ちなみに発行人・浜本の座右の書は『瞬きもせず』紡木たく著(集英社)だそうだ。だから何だといわれたら何だが、そういえば最近、浜本秘蔵コレクションのマンガを会社の棚にせっせと運び込ばれているのだが、なぜなんだろうか?
そんなことより卒業していく学生達よ、元気でな!