9月21日(木)
先週、有隣堂藤沢店の加藤さんにお会いしたとき「早く読め~」と脅迫されたのが『一瞬の風になれ 1』佐藤多佳子(講談社)。今週、御茶ノ水のM書店Yさんを訪問したときに「杉江さん全巻出るまで読まないのよね、ふふふ」なんて言われたのも『一瞬の風になれ』。渋谷B書店Hさんが「これをいかに売るかが私達の闘いですね」といったのも『一瞬の風になれ』。元々発売されてすぐに、新宿K書店Hさんが、レジから飛び出し追いかけてきて「絶対読んで」と大推薦されていたのだ。僕の周囲には『一瞬の風になれ』包囲網が完全に出来上がっていた。
でもでも読めないのだ。なぜなら巻数モノはやっぱり全巻揃ってから一気読みしたいではないか。というよりそんな面白そうな本を途中でストップさせられ、次巻発売まで1ヵ月待てなんて耐えられるわけがない。あまりに逆上して版元に火を付けにいったりしたら洒落にならんではないか。というわけでこの1ヵ月どんなに良い噂を聞いても手に取らず、営業中もなるべく新刊平台の『一瞬の風になれ 1』を見ないようにグッと我慢してきたのだ。
ところが、その『一瞬の風になれ 1』が、なぜか昨日会社に戻ったら、僕の机の上に置いてあるではないか。何で?
するとのんびりっち藤原が、すすすっと近寄ってきた。
「スンマセン。本来なら『文庫王国』の相談料で焼肉1回、無くした原稿発見で焼肉以上1回、杉江さんに奢らなきゃいけないんですけど、大きな声で言いますが、金もなく、ロト6も当たらずで、これで勘弁していただけませんか?」
お前なぁ、そりゃうれしいよ。買おうと思っていた本をプレゼントされたんだから。でもな、その本は今、読んじゃいけない本なの。お前、悪口ばっかりだと思ってこの日記読んでねーだろ? いや読まなくてもいいけど、社内でも散々騒いでいたんだから気付よ。これ、最高で最低のプレゼントなんだよー。
手元にあって読まない、なんてことが出来るほど意思が強いわけがない。
ついに禁を破って『一瞬の風になれ 1』を読み出してしまったのである。