WEB本の雑誌

11月24日(金)

 本日より事務の浜田は夏休み。転勤で上海にいる弟さんのところへお父さんお母さんと訪問するとか。散々タイミングを考えていたくせに、文庫王国の〆前などという一番忙しい時期に行くのが浜田らしいといえば浜田らしい。

 しかしそれにしてもこの会社はオソロシイ。たった三日の夏休みを未だ誰も(社長以外!)消化しきれていないのだ。みんなそんなに仕事が好きなのか? って終わらないだけなんだけど。

 その浜田の仕事を片づけようと思ったら、机の上にメモ。

「一切触るな! 触ったらぶっ殺す!」

 本当にオソロシイ会社だ。

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 ならば心おきなく営業に出ましょうと、電話番を終え、午後になって外に飛び出す。そしてオープン後初訪問の三省堂書店成城店さんへ。

 この営業で、この夏から秋にかけて開いた首都圏の新店はだいたい覗いたのだが、ほんとこれからは大型ショッピングモール(豊洲の紀伊國屋書店さんや武蔵村山のオリオン書房さん)か駅前駅中の商業施設(三省堂書店成城店さんやあおい書店町田店さん)、両方買え備えた丸善ラゾーナ川崎店さんのような立地をチェーン書店さんが奪い合っていき、地元の独立書店はジワジワと追いつめられていくのだろう。

 しかししかし実は僕が一番期待している新店は、新宿にオープンした山下書店センタービル店だったりする。あの山下書店さんと屋号は一緒だが、のれん分けのようなかたちで独立した店舗になっているそうで、まだ入口側に看板や照明がついてないから目立たないと思うが、この人通りを捕まえたら相当売上があがるのではなかろうか。

 それにしても山下書店さんか、ときわ書房さんくらいの品揃えのお店が、自分の住んでいる町にあったらどれほど幸せか。難しいのかなぁ。

 なんてとっても混んでいる三省堂書店成城店さんの棚を見ながら考えていたら、携帯電話が鳴り出す。会社からだ。

「広島でやっている椎名さんの写真展での本の売れ行きが素晴らしく、『ONCE UPON A TIME』」
 を大至急送って欲しいそうです」

 というわけですぐさま会社に戻って、荷造り。うーむ。浜田不在の間は落ちついて営業が出来そうにないな。