12月12日(火)
『血涙 新楊家将』北方謙三著(PHP研究所)読了。
これは闘いのなかでしか生きられない男たちの哀しい物語だ。胸が熱くなり、そして最後は痛くなる物語。素晴らしい。完結と言わずまだまだ六郎やその子たちの物語を書き続けて欲しい。
何度も書いて申し訳ないけれど、高橋克彦の陸奥三部作に興奮した人は絶対のオススメ。また北方謙三の『水滸伝』(集英社文庫)や『三国志』(ハルキ文庫)の巻数に腰が引けている方にもこれとその前の『楊家将』がオススメ。その後結局『三国志』と『水滸伝』を読むことになると思うけれど。
その勢いのまま、一部の書店員さんの間で熱狂的に人気を得ている森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』(角川書店)も読了。読んでいる間ずっと僕の頭のなかでは「タラタラタタタラタタタターン」という『うる星やつら』高橋留美子著の主題歌が鳴り響いていたのだが、なんと「WEB本の読書部」でレビューを検索したらまったく同じ感想の人がいてビックリ。一瞬自分で書いたのかと思ってしまったほどだ。しかしもしかするとこういう人の本棚は読書傾向が似るかもなんて思わずお気に入りにいれてしまった。
会社に着いて営業の用意をしていたらFAXが一枚送られてきた。
それは『おすすめ文庫王国2006年度版』で売上ベスト100対決にご登場願ったブックストア談浜松町店さんからだったのだが、その対談の収録の際、僕が「漁師になりたい」と言っていたのを受けて、なんと「大慈大自然に生きる男たちフェア」を開催しているとの報告だった。本来は漁師&農業の文庫本を集める予定だったが、それだけではフェア台が埋まらなかったので、登山やら漂流などの本も置いてあるとかで、うーむ、そのジャンルも僕は大好きなんですが…。本日はちょうど銀座界隈を営業する予定だったので、終わり次第浜松町店に向かおう。
ちなみに僕、このブックストア談さんのフェア(浜松町店に限らず錦糸町店や赤羽店もとても面白い)とこの日訪問した銀座の教文館さん、そして旭屋書店さんのフェア台に注目している。版元お仕着せのフェアでなく、書店員さん自身でセレクトされた本のなかには、いつも発見があるのだ。
銀座と東京の営業を終え、夕刻、浜松町へ。あるわ、あるわ、というか一瞬の自分の本棚かと思うほどだったのだが、じっくり拝見するとやはり発見の連続。こんな本出てたのかぁ。
というわけで『遠い港』北方謙三著(角川文庫)、『マンボウの刺身 房州西岬浜物語』岩本隼(文春文庫)、『舟と港のある風景 日本の漁村・あるくみるきく』森本孝(農山漁村文化協会)を購入。『舟と港のある風景 日本の漁村・あるくみるきく』は単行本だったのだが、僕が長年求めていた内容(漁村を歩き回るルポ)で、まさに感動の出会い。うれしー。
思わずその喜びを担当の方にお伝えしたのだが、「あっ、あれですか」と妙に納得されてしまった。もしかして一本釣りされたのは僕だったのか? しかし驚いたのは「しばらくしたら入れ替えますからまた来て下さいね」との言葉。そうか! ここのフェアは同じテーマでも途中で本を入れ替えたりしているのか。その手間がお客さんを呼んでいるんだな、というか僕が呼ばれているのだが。ああ、やっぱり本屋さんで発見があるととてもうれしいぞ。