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第3回

前回でスリップはきれいに入ったので、今日は平台を整えましょう。ということでお題は『平台』。

実はワタシは平台についても、アレとコレを入替えるだけではもう満足できないカラダになってしまっているの。で、大事なワタシ的ポイントはふたつ。(1)本の高低と(2)平台の空き。

(1)本の高低平台に積む本の高さは、奥を高く、手前側を低くつくります。こりゃ当然ですね。最も売れるだろう銘柄を手前に置くのですが、入荷量の多寡やら見込み違いやらで、2列目3列目が先に売れちゃうと、カルデラ湖のようなすり鉢状の平台になります。これはいただけません。すぐ直しましょう。

そして片側に傾いてしまわないように、必ず下側を反対向きします。
2冊積むときは2冊ともこちら向きですが、3冊積むときは、一番下の1冊を反対側に向け、上の2冊をこちら向きに積みます。4冊のときは下側2冊が反対向きで上側2冊がこちら向き。5冊は下側2冊と上側3冊、6冊は3冊と3冊、7冊は3冊と4冊、8冊は3冊と5冊、9冊は5冊と4冊、10冊は5冊と5冊…。これ以上の冊数になると、基本的には5冊ずつ交互に積みます。お察しの通り、何故か3冊と5冊というのが折り返し地点。素数ですね。でも関係ありません。要は、いつも一番上の本が平らに置かれているようにしたい、そしてどうせならある程度決めを作って、いつでも残数がひと目で把握できるようにしたいと。

(2)平台の空き最後の1冊が売り切れて平台が空いたまま、なんてとんでもない。もったいない。でも今は、もっと微妙な空きの話です。
平台は、本と本の間に平台の地が見えないよう、詰めて積みます。積みたい本が入荷して、動きの鈍い銘柄と入替える。このとき、新旧が同じ判形なら無問題ですが、四六版(文芸書によくある大きさ)判とB6判(四六版よりちょっと小さい)など、違う判形だとすこーし間が空いたり、逆にムリムリ押し込んでキツかったりします。これが気になっちゃう。気になっちゃう。気になっちゃう。

間が空いている現場は見ればわかりますが、キツい箇所は押し込んだ本人しかちょっとわからない。お客さまが平台の本を手に取ろうとすると、両隣の本が一緒に持ち上がってきちまいます。ハードカバーの場合は特に、隣通しはまり込みやすく、お客さまも不満では。理想は下じきが通るくらい、つまり1ミリくらいの隙間を空けて積みたい。新しい人にお願いしたときは、実際に下じきを持ち出し、本と本の間に下じきを挟んでみて通るかどうか、姑っぽく点検したりもします。本当か?

結局こんなときは、平台の端から積み直します。主導線に近い側から攻めて行き、同じ空きが出るのなら、いちばん人通りの少ない側にまとめて空くようにします。運が良ければもう1点積めるかも。
平台が長いと相当腰を痛めます。ホコリを払いつつ積み直すと、一度に棚8本分くらいが限界でしょう。お客さまに問い掛けられて、上げた顔が鬱血していたらやりすぎです。

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