『本なら売るほど 1』児島青
●今回の書評担当者●ふたば書房京都駅八条口店 宮田修
本好きな方には、是非一読いただきたい。
それが『本なら売るほど』。
SNSでも紹介されてるのでご存知の方も多いのでは。
舞台は、古本家の主。
若い店主の悲喜こもごもが語られる。
各エピソードが心地よかったり、心を抉られたり、色んな感情を揺さぶられる。
全編素晴しいのだが、寺田寅彦の詠んだ歌
好きなもの
イチゴ
珈琲
花
美人
懐手して宇宙見物
この歌に託した伝えられてない想いを店主が伝えるエピソード、こころに刺さります。
でも、気づかない可能性が高すぎて、伝えないのは、自分の意志なんだけど伝えるべきは、恥ずかしくても伝えるべきだと、気づかされました。
この本にでてくる本は、読んでたり、読みたいなと思ったり再読しようと思わされたりすることでしょう。
押し付けがましくない、本への導きに溢れています。
読了後、誰かと話し合ったりしたくなります。
4月発売予定の2巻ではどんな本の紹介やどんな気持ちにさせてくれるのか発売が待ち遠しい。
- 『お内儀さんこそ、心に鬼を飼ってます おけいの戯作手帖』麻宮好 (2025年2月27日更新)
- 『円かなる大地』武川佑 (2025年1月23日更新)
- 『三国志』北方謙三 (2024年12月26日更新)
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- ふたば書房京都駅八条口店 宮田修
- 高知県生まれ、大阪在住。他書店から、2020年よりふたば書房入社。好物は、歴史時代小説、ミステリですが、ジャンルは、問いません。おすすめありましたらお願いいたします。好きな作家さんは池波正太郎先生。