1月8日(水)
ある書店さんで見せていただいた全国書店の年末年始の売上データは、年明けののんびりした頭をボブ・サップの「こんにゃろパンチ」で殴られ、一気に目を覚ますどころか再度リングで深い眠りつかされるようなヒドイ数字であった。もちろん目は青黒く腫れ、塞がってしまっている。
3日の大雪。9連休になる暦。いろんな言い訳はできるけれど、書店さんのベスト10を見る限り、秋以降たいした変化もなく『ハリポッター』全巻が並び続けている。「売るものがない!」という店員さんの言葉を何度も耳にした。
毎年、大きなベストセラーは生まれる。しかしその影で、かつては5冊、10冊売れていた、本来売上を支えていた堅実な本は見あたらない。何年もかけてジワジワ売れ続けるロングセラーなんて天然記念物なみに見つからない。これはきっと出版不況という一時期の現象ではなく、今後どんなに景気が良くなっても続く、本に対する意識の変化なんじゃないか。
とある書店さんを訪問したら、年末に行われた店舗改装で文芸書の棚は大幅に削られていた。文芸書営業マンとして悲しみを感じないわけにはいかないが、書店さんの売上構成比を確かめれば、いまだ店頭の平台に文芸書が乗っているのが信じられないほど低いのだから仕方ない。
そう思っているのはもちろん僕だけでなく、書店員さんも同じ気持ちだ。いや悔しさや悲しさは僕以上に感じている。
「お客さんから文芸書はなくなっちゃったの? なんて言われるとほんと悲しくなります。空けたスペースに何を置くかっていったらDVDなんです。うちは本屋だから本を売る!って意地はあるんですけど、そのDVDが嫌ってほど売れていく。……。」
今、多くの文芸担当書店員さんが、心のなかで涙を流しながら棚と在庫を減らしている。