1月28日(火)
『未読王購書日記』の営業が続いている。この新刊、非常に説明がしずらい。いや、もちろんネット上で日記は読んでいるし、金子から上がってきたゲラに目は通しているので、すこぶる面白いのはわかっている。しかし、それをどう説明したらいいのかわからない。
(ある日の営業会話)
「2月の新刊なんですけど」
「えっ?! 何? 未読王って?」
「その名のとおり、未読の王様なんです。本を山のように買うんですが、ほとんど読まない人の購入日記です」
「積読ってこと?」
「いや、ゲラを読む限り、どうもそういうわけでもなく、元々読もうという意欲はないような気がします。ただ買っているだけみたいなんです」
「うーん…。古本界の中村うさぎってこと?」
「中村うさぎさんは、ちゃんとブランド物を着ていますよね」
「……」
しかし、書店員さんも本好きな人が多いわけで、何となく会話をしているうちに、未読王と自分をダブらせ(本当はダブらせてはいけないと思うのだが)は妙な親近感を持ち、しっかり注文してくれる。
「こういう人が増えたら出版業界ももっと儲かるのにね」
僕は黙ってお店を後にした。