3月13日(木)
本日聞いた書店さんのいくつかの話。
そこはこのような不況下でも売上を順調に上げているお店だ。その秘訣を店長さんに伺ったときの話。
「いや~、入ってくる本は変わりはないし、品揃えだって店舗の大きさで限界があるから、秘訣って言われても困るんだよなぁ。強いて挙げれば接客には気をつかっていて、挨拶や問い合わせにしっかりした言葉遣いを使うように徹底しているかな。それにしても『いらっしゃいませ』とか『ありがとうございました』とかで、普通にやっているだけだよ。あっ、ただその普通を出版業界の普通じゃなくて、他の業種の普通を見習うようにしているね」
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別の書店さんでの話。文芸の平台を前に、最近の売れ方についてお伺いしていた。
「ジャンルでいうと、もう文芸は本当にダメですね。わたしなんかその文芸書の担当で、何だか会議の度に、こんなんでお給料貰ってスミマセンって気持ちになりますよ。特に小説は5冊くらい売れただけで売れた気がしてきますよ。ああ、悲しいです」
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また別の書店さんで、半年前に文芸から人文ビジネス書の担当になった方に聞いた話。
「文芸は文芸で毎日がお祭りみたいで面白かったんですけど、こっちはこっちで別の面白さがありますね。何が違うかっていったら、棚の動きがまったく違いますね。文芸書のときはほとんど売上が平台の新刊ばかりで棚なんて飾りみたいになっているんですけど、こっちのビジネスとか人文は棚でしっかり本が売れていくんですよ。どんなに古い本でも定番商品というがしっかりあるし、それを売るためにはある程度類書も揃えないといけないし。健全という意味でいえば、こっちの方が健全な気がしますね」
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かなり長い間、小説が書店さんのベスト10に入っていない。例え入ったとしても発売週だけで、ロングセラーにはならない。2、3年前までは、それでもミステリあたりは売れていたのに、この頃その文芸書の唯一の砦であったミステリもベストセラーがでない。
最後にもうひとつ伺った話を…。
「宮部さんの『ブレイブ・ストリー』(角川書店)もねぇ…。まあ、ファンタジーなんで、ミステリや時代小説より弱いのはわかっているんですけど、前は宮部さんの新刊といえば、しっかりファンがいて、発売日近くに上下巻合わせて買っていったんです。それが今回はかなり上下の差が出ちゃって…。どっか大きく紹介でもされたら、一気に売れそうなんですけどねぇ。」
本当に<小説>はどこへ行ってしまうのか?