WEB本の雑誌

4月14日(月)

 先週、ついに発売となった『ライ麦畑でつかまえて』の新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』J.D.サリンジャー著 村上春樹訳(白水社)はかなり良い感じで売れているようで、各書店の文芸担当者さんもほっと一息ついているようだ。

 なにせ、今年に入ってから出版不況は一段と深刻化しており、話題になるべき本すらない状況で、前年比二桁落ちが当たり前になりつつある。とにかく『キャッチャー・イン・ザ・ライ』とこの後出版される予定のキムタクエッセイ『開放区』(集英社)に引っ張ってもらうしかないでしょう。

 本日書店さんを廻っていて思わず笑ってしまったのは、この『キャッチャー・イン・ザ・ライ』の問い合わせだ。多くのお客さんがなぜか「ライ麦畑の新訳」でもなく「サリンジャーの本」でもなく「村上春樹の新刊」と聞いてくるらしい。

 いやはや著者名だけでは売れないこの時代、本当に村上春樹氏だけは最後の砦であり、ベストセラー作家なのではないか。神様仏様村上春樹様と唱えつつ、FAXの通信ミスでも構わないから本の雑誌社に原稿が送られて来ないかと願ってしまうのは営業マンのサガ。