WEB本の雑誌

7月2日(水)

 いやはや驚いた。

 何に驚いたって、それはとある出版社から新創刊されたノベルスのラインナップなのだが、なんとそこに並んだ本、どれもこれもつい最近、単行本で発売されたばかりのいわばまだ<新刊>として通用するものだったのだ。

 単行本から文庫化への期間が短縮される一方の昨今だが、単行本発売から3、4ヶ月でノベルス化とは驚くばかり。このスピードなら年内中に文庫化もありえそうで、親本発売一年以内での単行本→ノベルス→文庫という最速出版グランドスラム達成になるのではなかろうか。

 それにしてもこの短期間で単行本がノベルス化されたのを考えると、実はその単行本の発売時期には、既にその出版社内部ではノベルスの制作が進んでいたのではなかろうか。とすればノベルス化することが決まっていながら、その単行本を書店さんから注文を受けたり、あるいは読者が買っていくそのシーンを、この出版社の人達はどのような気持ちで見ていたのだろうか。

 出版業界の常識を覆す!なんていうつもりなのかどうかわからないけれど、こういうことをされると、全体的に単行本の価値は下がっていくし、読者の信用を落とすことにも繋がるだろう。小さな業界だけに1社が全体に及ぼす影響をきちんと考えた上で、こういうことは取り組んで欲しいものだ。なんだか、なんだか、なんだかなぁ…。