12月4日(木)
通常であれば、新刊の見本を取次店に出すと、ひとつの仕事が終わり、いくらかのんびりとした気分に浸れるのだが、今月はもう一点『おすすめ文庫王国2003年度版』という新刊がある。だから息継ぎの間もなく、かなりハードな営業が続く。
これはいったい誰のせい? わかっちゃいるけどここでは名前は挙げない。ただし毎晩愛用の枕にそいつの名前を貼り付け、サンドバックにしていることは正直に告白しておこう。
市ヶ谷のB書店を訪問すると店頭のワゴンにドカッと『Y』佐藤正午著(ハルキ文庫)が積まれていた。いやはやなぜに今頃と顔を上げると、大きな看板が立っていて、そこに『おすすめ文庫王国2001年度版ベスト1』と書かれているではないか。おお、随分昔の話だが、まだ売れているの?ともうひとつ添えられていた文章を読むと「新大阪店にて3400部を販売!」とあって、思わず薄毛が逆立つ。
何をそんなにビックリしたかって、単店で3400部も『Y』を売っていることにももちろん驚いたのだが、何を隠そうそのお店での『文庫王国』の販売数は10分の1くらいなのだから毛を逆立てないわけにはいかないだろう。
影響力があるということはを喜んで良いことだと思うが、このあまりの逆転現象は悲し過ぎる。ああ、『本の雑誌』のサガか…。