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2013年4月 水ダコうっかり号 No.358

『64』をはじめ、面白い警察小説がばしばし刊行される昨今だが、では警察小説とはなんなのか。というわけで、本の雑誌4月号の特集は「最強の警察小説!」。警察小説の登場人物を適材適所して最強の警察署を作る座談会から、シンポ教授の警察小説の系譜、柳下毅一郎の日本全国警察史に内田剛の警察小説のためのサブテキスト、大矢博子の警察小説萌え萌えコンビに鈴木先輩が交番のおまわりさんに『64』を差し入れる(!)ドキドキレポート、そして警察マニア(?)中場利一の至極の警察本におじさん三人刑事の警察博物館レポートまで、警察小説の読み方が変わる26ページの緊急特集だあ!

新刊めったくたガイドは矢口誠がただのイヤミスと思うなよ、とジャーキンスの深みを褒めたたえれば、佐久間文子は絶望を描きながら美しい『アサイラム・ピース』に呆然。大森望がただいま日本でいちばん面白いSF『天冥の標』を大プッシュなら、関口苑生は米澤穂信『リカーシブル』の健気なヒロインに思わずホロリ。間室道子が"輝く少女時代"を守りぬく少女たちにわが身を重ねれば、ハマザキカクはデコトラの「カネショウ」の日本の美に驚愕。そして北上次郎は読み進むごとに嬉しくなる、と石井睦美の『愛しいひとにさよならを言う』を絶賛。冒頭の一行を読んだだけで、「これは傑作だ」と確信したという、その一文をさあ、読んでみよう!

今月は、坂木司が図書カード三万円使い放題!に登場。ジュンク堂池袋本店を最上階からじっくり愛でれば、プロフェッショナルの流儀では、ピアニスト森下唯が『シューマンの指』を聴いて、奥泉光の超絶技巧に悶絶。本誌初登場の北條一浩が片岡義男の10冊にぐいっと迫れば、やはり初登場、内堀弘は年末年始古本市場日記で怒濤の買いまくり。そして五万円未満の本は作らない男・竹中朗まで登場して愛すべきクソオヤジの思い出をつづるぞ! さあ、花粉もPM2.5もなんのその、マスクは外せなくてもヒートテックはもういらない! 本の雑誌4月号をお供に北の丸公園で梅見で一杯なのだ!

目次

今月の一冊

ひるね優先読書録 宮田珠己
新旧いろいろ面白本/やわらかな回顧譚 椎名 誠
黒豚革の手帖/恥、晒しました2 内澤旬子

特集:最強の警察小説!

座談会/最強の警察・H県警をつくろう!
日本のケーサツ小説はガラパゴス進化を遂げた 新保博久 
マイナー事件から迷宮入りまで日本全国警察史 柳下毅一郎 
熱血刑事の痛快ノンフィクションを見よ! 内田 剛 
意外なギャップにときめくのだ! 大矢博子
おまわりさんに『64』を渡そう! 鈴木先輩
読めば百戦危うからず!? 中場利一
おじさん刑事三人組、警察博物館に行く!

図書カード三万円使い放題!/本友達とお買い物 坂木司
活字に溺れる者/キンドル生活事始 荻原魚雷
プロフェッショナルの流儀/幻想に耳を澄ます 森下唯
年末年始古本市場日記 内堀弘

新刊めったくたガイド

イヤなだけじゃないジャーキンスの深みを見よ! 矢口誠
絶望を描きながら美しい『アサイラム・ピース』 佐久間文子
日本一面白いSF『天冥の標』をお薦め! 大森望
米澤穂信『リカーシブル』の健気な主人公にホロリ 関口苑生
“輝く少女時代”を守りぬく少女たち 間室道子
デコトラの「カネショウ」を知っているか!? ハマザキカク
読み進むごとに嬉しくなる石井睦美の傑作小説 北上次郎

ルヘイン版“仁義なき戦い”『夜に生きる』がすごい! 穂井田直美
「写真時代」とケータイ小説 大井潤太郎
タワレコで出会ったジャズ新書 渡邊十絲子
マイルズに殺人容疑!?大騒動の『任務外作戦』 山岸真
こけし人形のはなし 浅生ハルミン
文庫目録を襲った九七年の衝撃 水鏡子
じっくり攻めた「群像」の押し出し! 榎本文昌
王子製紙の“三冠”にびっくり! 津田淳子

佐野さんのこと 竹中朗
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/五度目のアンナ・カヴァンショック 豊﨑由美
百歳までの読書術/「私の時代」が遠くなる 津野海太郎
九曜書房さんから雑誌がいっぱいつまったダンボールが三箱届いた 坪内祐三
連続的SF話/未来の街 鏡明
南の話/アメリカで短編大ブーム!? 青山南
ベストセラー温故知新/自費出版ベストセラーの“甘い夢” 入江敦彦
鬼花──鬼刑事・花篤好美/ボスの謎 中場利一
世界の改竄 円城 塔
再評価を待つ生田長江の評伝 風野春樹
江戸弁とSFの奇跡のコラボ 池澤春菜
伝説の悪女の裁判記録 柳下毅一郎
今月書いた人 
今月本の雑誌に遊びに来た人
掲載図書索引 

続・棒パン日常/常連じゃないから 穂村 弘
三角窓口/エリンギじゅっぽんの本ってな〜んだ? 他
子どもの寝てる間に 古幡瑞穂

新・キムラ弁護士のありふれない一日/マインドコントロール3 木村晋介
歩く旅/北京の公園 沢野ひとし
片岡義男の10冊/「料理の勉強をされているんですか?」と彼女は言った 北條一浩
後記 

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