
作家の読書道 番外編:杉江由次さん
こよなく本を愛し、書店を愛し、そして浦和レッズを愛する本の雑誌社営業マン、杉江由次氏。ほぼ毎日更新している本サイトの「炎の営業日誌」も、はや8 年。書店めぐりだけではなく、本はもちろんなぜかサッカーについても熱く語るこの営業日誌が、このたび1冊の本になりました。それを記念して「作家の読書道」番外編、杉江由次の登場です。実に意外な読書歴、というよりも人生の変遷が明らかに!
その8 「サッカー好きの読書生活」 (8/9)
- 『ハイ・フィデリティ (新潮文庫)』
- ニック ホーンビィ
- 新潮社
- 761円(税込)
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- 『28年目のハーフタイム (文春文庫)』
- 金子 達仁
- 文藝春秋
- 473円(税込)
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- 『誇り―ドラガン・ストイコビッチの軌跡 (集英社文庫)』
- 木村 元彦
- 集英社
- 617円(税込)
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- 『悪者見参―ユーゴスラビアサッカー戦記 (集英社文庫)』
- 木村 元彦
- 集英社
- 782円(税込)
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- 『オシムの言葉 (集英社文庫)』
- 木村 元彦
- 集英社
- 669円(税込)
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- 『rockin’on BEST DISC500 1963-2007』
- ロッキング オン
- 1,944円(税込)
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――読書の時間は。
杉江 : 通勤時間と、あとは寝る前かな。子供が生まれるまでは家で読む時間もありましたが。今は全部移動中。通勤と、営業でも移動時間がたっぷりあるので。
――現在は家では読まないのですか。
杉江 : 家ではハードディスクレコーダーにとり貯めたプレミアリーグを見ているんで(笑)。休日は子供の相手をしているし、浦和レッズの試合に入り浸っていますから...。ホームはもちろん、アウェイでも首都圏内だったら行ってます! テレビはサッカーしか観ないので、僕、芸能人とか全然知らないんです。
――プレミアリーグはどちらのファンで?
杉江 : マンチェスター・ユナイテッドです、ニワカですけど。
――赤いユニフォームが好きなんですかねえ。サッカー関連の本は。
杉江 : 好きなのは『ぼくのプレミア・ライフ』とか『狂熱のシーズン』。どちらもイギリス人。はやく日本人でこういうのを書く人が現れないかなって思っています。
- 『狂熱のシーズン』
- ティム パークス (著)
- 白水社
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- 『ぼくのプレミア・ライフ』
- ニック・ホーンビィ (著)
- 新潮文庫
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――『ぼくのプレミア・ライフ』のニック・ホーンビィって『ハイ・フィデリティ』の作者ですよね。
杉江 : そうそう! この人アーセナルの熱狂的ファンなんですよ。ニヒルな書き方をするんですよね、それがすごく好き。ティム・パークスの『狂熱のシーズン』は、イギリスの作家がイタリアに移住して、ベローナのサポーターたちと1年間をともにする。もう、日本人サポーターなんて比べものにならないくらい、バカです。人間性がないんです。ここでは言えないくらい、ひどいんです。ティム・パークスは、最初は客観的に見ているんですけれど、最後は染まっちゃう。記者席から観ていてもつまらない、って気づくんです。本当にスタジアムに行って書いているなと分かるエピソードがいっぱいあって、そこが信じられる。
――日本人の著作は。
杉江 : 金子達仁の『28年目のハーフタイム』とか。それと98年のワールドカップに行った選手やスタッフ全員にインタビューした本が面白かった。あっ、木村元彦は別格です。『誇り』『悪者見参』『オシムの言葉』は必読ですね。
――ほかに趣味本というと...。
杉江 : 今音楽を勉強中です。ロッキングオンの『BEST DISC500 1963-2007』が、本自体がすごく面白くて。ロックは昔聞いていたけれど、80年代以降とまっちゃっているので知りたいなと思って。
――どんなアーティストが好きなんですか。
杉江 : レッド・ホット・チリペッパーズやレッド・ツェッペリンとか。
――ここでも赤いものが。
杉江 : ツェッペリンはLEDですけどね(笑)。今、本当に、楽しいです。無知だから。ただ、毎回「作家の読書道」を読んでいると、幼い頃から本を読んでいる人にはかなわないなあって思いますね。僕、いわゆる名作ものと呼ばれるものが、全部抜けちゃっているんで。
――これから読めるんですよね。宝の山がそこにありますよ。
杉江 : そうなんです! 深夜プラス1の浅沼さんにも、お前本当に幸せだなって言われました。これからあれも読める、これも読めるのか、って。たぶん老後忙しいです。