『ほたるいしマジカルランド』寺地はるな

●今回の書評担当者●ふたば書房京都駅八条口店 宮田修

  • ほたるいしマジカルランド
  • 『ほたるいしマジカルランド』
    寺地 はるな
    ポプラ社
    1,760円(税込)
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obopって、ご存知ですか?
なにかわかりませんよね。

大阪ほんま本大賞、大阪が舞台、大阪ゆかりの作家さんの本を1冊選んで、みんなで販売しようという取り組みです。

いわゆる各都道府県で行っている○○本大賞の響きのほうが、わかりやすいかも。

硬めに言うと、関西初のベストセラーを作り、出版界を盛り上げるだけではなく、社会貢献に繋がる活動も盛り込んだプロジェクトが、「Osaka Book One Project」。

「大阪ほんま本大賞」を主催し、大阪の書店と取次店が「ほんまに読んで欲しい1冊」を選び、その本の販売で得られた収益の一部を社会福祉施設を通じて、大阪の子供たちに社会福祉協議会児童養護施設の本を寄贈するというプロジェクトです。

ただ本を寄贈するのではなく、子供たちのリクエストに応じて寄贈するというところもポイントで、継続していかなあかんなと思います。

今年で12回目の賞に選ばれたのが、『ほたるいしマジカルランド』寺地はるな先生の本です。
大阪のひらかたパークをモデルにされたことは、有名で、先生も大阪在住。

寺地さんは、何度もノミネートされていて、今回初の受賞になります。

いつも読ませていただいて、読んでる時はしんどいときも多いんです。
それでも、最後がすごいハッピーではなくても、一筋光を照らしてくれるんですよね。

夢の国で働いていたって、みんな悩みはある。
歯を食いしばって生きてるんだと。
曜日ごとに、主人公が代わっていくので、すごく読みやすく、皆現状に満足はしてないし、不平もタラタラなんですが、それぞれきっかけがあり、それは大事件が起きるわけではなく、日々の日常の中で訪れたり、気付かされたり。

それぞれが、絡み合っていき、どう絡んでいくのかと先が読みたくなります。

仕事って捨てたもんじゃないぞ。
月曜日違ってた気分で出勤できるかも。

日々頑張ってるあなたへ読んでいただきたい1冊です。

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ふたば書房京都駅八条口店 宮田修
ふたば書房京都駅八条口店 宮田修
高知県生まれ、大阪在住。他書店から、2020年よりふたば書房入社。好物は、歴史時代小説、ミステリですが、ジャンルは、問いません。おすすめありましたらお願いいたします。好きな作家さんは池波正太郎先生。