●担当者●さわや書店イオンタウン釜石店 坂嶋竜

2021年4月15日更新

『ジョーカー』清涼院流水

 すべてのミステリの総決算......。究極の連続不可能犯罪をたくらむ天才犯罪者が、陸の孤島で『幻影城殺人事件』を演出する。(略)推理小説のありとあらゆる構成要素をすべて制覇すべく犯行を続ける「犯人」... 記事を見る »
2021年3月18日更新

『王とサーカス』米澤穂信

 10年前のあの日──  太刀洗万智は、日本という〝非日常〟へとやって来た少女と出会った。  今回紹介する『王とサーカス』の前日譚である『さよなら妖精』は中東の紛争地域から来た少女が、祖国に戻るまでの... 記事を見る »
2021年2月18日更新

『文字渦』円城塔

 横丁カフェの、この『文字渦』の書評を読んでいるあなたに向かって「今あなたが読んでいるものは何か?」と問いかけたら、「〝今あなたが読んでいるものは何か?〟という文字だ」という答えが返ってくる──『文字... 記事を見る »
2021年1月21日更新

『メダリスト』つるまいかだ

 熱い物語が好きだ。  圧倒的な才能をもって不幸な現実や理不尽な環境とぶつかり合い、その実力をもって世界をわずかでも良い方向に捻じ曲げていく物語が。  好きという感情を支えにし、絶望的な状況のなか諦め... 記事を見る »
2020年12月17日更新

『Zの悲劇』エラリー・クイーン

 僕がこの本を初めて手にしたのは10代半ばだった。  図書室の隅にある本棚の奥で、分類ラベルも貼られず忘れ去られていた『Xの悲劇』と『Yの悲劇』を読み、クイーンは偉大な作家だと感動したそのあと──  ... 記事を見る »
2020年11月19日更新

『網内人』陳浩基

 陳浩基の短編集『13・67』は1967年から2013年までという香港史における激動の時代を、逆年代順に短編を並べることで巧みに表現した本格ミステリだった。  事件を積み重ねることによって詳細に社会を... 記事を見る »
2020年10月15日更新

『Another 2001』綾辻行人

 綾辻作品を読んでいると、常に少年のイメージが浮かんできます。 読者を驚かせてやろうという綾辻さんの無邪気さが少年というイメージを産み出していると思うのですが、特に『Another』『Another ... 記事を見る »
2020年9月17日更新

『ワトソン力』大山誠一郎

 捜査一課の刑事として、常に事件と向かい合ってきた和戸宋志には特殊能力があった。一定範囲内にいるひとたちの推理力を高める力である。彼はその能力にワトソン力と名付けた──。 大山誠一郎『ワトソン力』は特... 記事を見る »
2020年8月20日更新

『神狩り』山田正紀

 1974年──。  白泉社が「花とゆめ」を創刊し、宝塚で初めて「ベルサイユのばら」が上演され、「サザエさん」が連載を終了したこの年。あるいは、長嶋茂雄が現役を引退し、セブン-イレブンが1号店を出店し... 記事を見る »
2020年7月16日更新

『金魚屋古書店』芳崎せいむ

 夏のある日。  うだるような暑さとセミの鳴き声に包まれながら、〝あなた〟は書店の扉を開いた。  特に買いたい本はない。  だからこそ〝あなた〟はのんびりと棚を見て回る。  ふと〝あなた〟は足を止め、... 記事を見る »
2020年6月18日更新

『ダンガンロンパ霧切 7』北山 猛邦

 正義はひとの数だけあるし、時代や国、そして状況によって容易に変わりうる。こんな状況だからこそ、それは誰もが実感できるのではないだろうか。  去年の〝正義〟と今年の〝正義〟は違う。  正義の対義語とさ... 記事を見る »
2020年5月21日更新

『絞首商會』夕木春央

 こうしゅしょうかい。  何やら怪しげなタイトルである。絞首と言えば絞首刑とか絞首台として使われる言葉であり、残酷な状況が思い浮かぶ。そんな物騒な名前の商会とはなんなのか。そう思いながらページをめくる... 記事を見る »
さわや書店イオンタウン釜石店 坂嶋竜
さわや書店イオンタウン釜石店 坂嶋竜
1983年岩手県釜石市生まれ。小学生のとき金田一少年と館シリーズに導かれミステリの道に。大学入学後はミステリー研究会に入り、会長と編集長を務める。くまざわ書店つくば店でアルバイトを始め、大学卒業後もそのまま勤務。震災後、実家に戻るタイミングに合わせたかのようにオープンしたさわや書店イオンタウン釜石店で働き始める。なんやかんやあってメフィスト評論賞法月賞を受賞。