- 2025年6月10日 11:30
【今週はこれを読め! SF編】
爛熟の昭和初期に咲いた妖花たち〜会津信吾編『戦前日本モダンホラー傑作選 バビロンの吸血鬼』 - 牧眞司- 意欲的というか、いっそ酔狂なといったほうがいいかもしれない、なんともユニークな企画だ。大正末期から昭和十年代半ばまでの尖鋭・爛熟の都市文化を背景に、徒花のよう...
- 2025年6月 9日 11:30
【今週はこれを読め! エンタメ編】
誹謗中傷と二人の天才の人生〜塩田武士『踊りつかれて』 - 高頭佐和子- 今年は、文藝春秋がなんだかすごい。1月に「オール讀物」連載の村山由佳氏『PRI...
- 2025年6月 3日 11:30
【今週はこれを読め! SF編】
〈本源的形相〉の侵入で、異形化する現実〜チャールズ・ウィリアムズ『ライオンの場所』 - 牧眞司- チャールズ・ウィリアムズは、J・R・R・トールキン、C・S・ルイスが所属したオックスフォードの文芸集団インクリングズの一員だ。ただし、ウィリアムズが加入したの...
- 2025年6月 2日 11:30
【今週はこれを読め! エンタメ編】
線引きのできない複雑さ〜金原ひとみ『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』 - 高頭佐和子- 人と人は、どうしようもなく食い違う。傷を負った側と負わせた側では、同じ場所にい...
- 2025年5月28日 12:10
【今週はこれを読め! ミステリー編】
"ただ普通でありたかった"男の人生〜月村了衛『普通の底』 - 杉江松恋- 2025年の現実を犯罪小説的視点で見ればこういう長編になる。 先般、『虚の伽藍』(新潮社)が高校生直木賞に選ばれたばかりの月村了衛が、書...
- 2025年5月27日 11:30
【今週はこれを読め! SF編】
近江八幡のサイバーパンク〜天沢時生『すべての原付の光』 - 牧眞司- ゲンロンSF新人賞、創元SF短編賞を受賞した俊英の、はじめての短篇集。五作品が収録されている。 表題作「すべての原付の光」では、近江八幡市でもっとも治安が悪...
- 2025年5月26日 11:30
【今週はこれを読め! エンタメ編】
河﨑秋子が書く家族の歴史〜『父が牛飼いになった理由』 - 高頭佐和子- 「うちの父 阪神ファンで 胃が痛い」 この川柳の作者は、小学生時代の河﨑秋子氏で...