『メリークリスマス 世界の子どものクリスマス』R.B.ウィルソン
●今回の書評担当者●TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢 礒部ゆきえ
いらっしゃいませ。
まいど、礒部です。
すっかり街も、クリスマス!
ヘイ、そこのお客様!その本、素敵にお包みしちゃいますよ!
何!?このまんまるの絵本を包装紙でラッピング!?
まかせんしゃい!ちょっといびつになりますが、許してちょうだい、お客様。
毎年の風物詩ですが、今年も店内が賑わってまいりました。
サンタさんのお手伝い、頑張りたいと思います。
さぁ、そんなわけで、今回紹介するのは、これしかないでしょ。
『メリークリスマス 世界の子どものクリスマス』
画:市川 里美 文:R. B. ウィルソン 訳:さくま ゆみこ
(BL出版)
パリ在住の絵本作家、市川里美さんが描く、世界のクリスマス。
クリスマスの歌やレシピ、各国のクリスマスの様子があたたかく鮮やかな色彩で描かれています。
サンタクロースの名前の由来を知ることができたり、イタリア、メキシコ、インド...18ヵ国の、それぞれの祝い方を垣間見ることができます。
ノルウェーでは、小人のために、おかゆを戸外に出しておくんですって。
国によって、いろいろな過ごし方や風習があって、おもしろいですよね。
これは、冨山房から1983年に出版され、絶版になっていたのですが、2018年BL出版から復刊されました。
復刊したこの本が入荷した日には嬉しすぎて、児童書のクリスマスコーナーをひとりスキップで一周したくらいです。
ごめんなさい。なんやねん、復刊ばっかり宣伝してるやんけ、こいつ。ってかんじですよね。
まぁ、その通り。そうなんです。
でも、これは紹介せずにいられないんですよ。
なんたって、市川さんの絵が素敵すぎるんです。
今の作品とは少しタッチが違うのですが、幼いながら、「世界のクリスマスは、こんなに色とりどりで、こんなにきらめいてるんや。」と、感動した覚えがあります。
この絵本は、私が幼稚園の頃、クリスマスの日に家の階段にぽつんと置かれていました。包装紙で包まれた絵本の上には、『ゆきえちゃんへ サンタクロースより』と書かれたカードが。
今思い出すと、それは完全に母の字で、絵本を走って見せに行ったときの母の驚き方が、下手くそだったような気もします。
笑っちゃいますよね。
でも、そのときの喜びは、ほんもの。
階段に座って包みを開けるあの瞬間のワクワクは、今も忘れられません。
それから、この絵本の最後の一文、
「クリスマスは、わたしたちの住んでいる世界が平和になることをねがい、すべての者がしあわせになるようにいのる日でもあるのです。」
今年のクリスマスも、宗教に関係なく、すべての者がしあわせになるよう、祈りたいと思います。
さて。あっという間に年末。
年明けから、仕事が更に忙しくなりそうです。
そんな中でも、この横丁カフェはのんびり楽しく更新できたらと思っています。
来年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
皆さま、よいお年を。
- 『とらのゆめ』タイガー立石 (2021年11月18日更新)
- 『うどんのうーやーん』岡田よしたか (2021年10月21日更新)
- 『野ばらの村のピクニック』ジル・バークレム (2021年9月16日更新)
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- TSUTAYA BOOKSTORE 下北沢 礒部ゆきえ
- 1983年大阪生まれ。5年前に関東へ嫁いできました。2022年3月30日オープンのTSUTAYA BOOKSTORE 下北沢に出向中。おいしいカレー屋さんをたくさん見つけるのが、今から楽しみです。