『アタマの中のアレを食べたい』アサギユメ

●今回の書評担当者●丸善お茶の水店 勝間準

  • アタマの中のアレを食べたい (書籍扱いコミックス)
  • 『アタマの中のアレを食べたい (書籍扱いコミックス)』
    アサギユメ
    秋田書店
    1,100円(税込)
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  • アタマの中のアレを食べたい 2 (2) (書籍扱いコミックス)
  • 『アタマの中のアレを食べたい 2 (2) (書籍扱いコミックス)』
    アサギユメ
    秋田書店
    1,100円(税込)
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 食べられる、食べられない、食べられる、食べられるかも? おっといきなりすみません、今回紹介する本を読み直していたらついつい独り言が。理由はあとできっとわかるはずです。

 ではここから本題。しつこいぐらいに何度も言っているかもしれないが僕はたべることが大好きだ。世の中には僕がまだ食べたことがない美味しいものがたくさんあるはず。

 今回はそんなまだ見ぬ食の世界へ連れていってくれるこちらの本を紹介。アサギユメさんの食エッセイコミック『アタマの中のアレを食べたい』1巻&2巻。

 漫画家夫婦の珍グルメ食レポートエッセイ、人によってはゲテモノと思われるものを作中で食うわ食うわ、よくあれやこれやと食べられるなと思いつつ二人の食レポを読んでいると食べたくなるのが不思議である。

 1話目のトナカイ鍋から始まり脳みそ料理、昆虫食へと至る。その中でも秀逸なのがカメレオンの実食レポ。カメレオンがまさかあんな味がするとは思わなかった。それは想像以上だったし、納得できる味の表現だったので、チャレンジしたくなった。

 そんな作品内で著者であるアサギさんの一言に僕は惚れた。その一言とは「死んだペットは食材になり得るなら食したい派」。これは真似できないが共感はできるし、すごく好きな考え方だ。と思って我が妻に話してみたら怪訝な顔をされた。何故だろう? これを読んでいる皆さんはどう思いますか?

 それにこの本を読んでわかったことがある。僕自身は形が残っていなければ色々と食べられるかもしれないのと絶対昆虫は無理だということ。ただし、このエッセイ2巻目のラストに気になる食レポが!! まさか、小学生のころよく捕まえていたあの虫が、あの小学生男子が好きなあの虫が昆虫の中で一番美味しいとは思わなかった。

 そんなの食べてみたくなるやん、でも食べるからには残したくないから万が一残しそうになったら食べてくれそうな友人と食べに行きたい。誰か僕と一緒に作中でよく登場する珍獣屋さんに食べに行きませんか?

 そして未知なる味の世界へ一緒に飛び込みましょう!!!

 とか最後に言ってみましたが現在、僕には食べに行く勇気はまだありません。

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丸善お茶の水店 勝間準
丸善お茶の水店 勝間準
1981年大阪市内の中華料理屋の息子として生まれる。新卒時に入社したスーパーを辞めた後なんとなく働き始めた書店で本を読む楽しさ、売る楽しさを知る。コミックエッセイ、食マンガ、食小説、食エッセイ大好き書店員。生まれて初めて買った本は『ミスター味っ子』。この機会に美味しい本を紹介したいです。それではいただきます!!