『東京卍リベンジャーズ』和久井健

●今回の書評担当者●山下書店世田谷店 漆原香織

  • 東京卍リベンジャーズ(1) (講談社コミックス)
  • 『東京卍リベンジャーズ(1) (講談社コミックス)』
    和久井 健
    講談社
    450円(税込)
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阿離我拓(ありがとう)

あぁぁぁぁ、ついに最終回を迎えてしまった...。
最終回を読み、涙ながらこの原稿を書かせていただいております。

ということで、今回ご紹介させていただくのは『東京卍リベンジャーズ』です。

来年1月のアニメ2期の放送を楽しみにしていた最中の最終回予告から、公式Twitterでのカウントダウン...。
ついに終わってしまった。

続きが読めないのは悲しいけど、心から『ありがとう』と伝えたい。

実写映画化、アニメ化、舞台化、さらには渋谷ジャックなど、『東京卍リベンジャーズ』を知らないという人は少ないかもしれない。
...が、原作読んでないという人は、ぜひ読んでいただきたい!

私自身も、アニメ化の発表を機にコミック担当としては読まなきゃなと思い、初めて手にした作品である。当時は、『ヤンキー漫画かぁ...』と重い腰を持ち上げるかのように読み始めた。
ヤンキー漫画と侮っていた過去の自分を殴りたくなった。それこそタイムリープして、初回掲載日から毎週楽しみたかった...。
こんなにも引き込まれる深い沼作品があったなんて...!それを知らずに数年過ごしていたなんて...!
電子で一気読みした上に、紙で手元に残したくそれまでに刊行されていた18巻まで大人買いした。

主人公の花垣武道は、26歳のフリーター。ある日ニュースで、人生唯一の彼女であった橘日向が東京卍會の抗争で死んだことを知る。その後、何者かに押され、線路に落ち電車に轢かれそうになった瞬間、何故か12年前にタイムリープしてしまう。再び日向に会えた武道は、東京卍會を潰し、日向を救おうと決意する。12年前と現在のタイムリープを繰り返しながら、東京卍會の面々と出会っていき、日向以外にも救いたい仲間が増えていく。果たして武道は全ての仲間を救えるのか?

読み進める度に、出てくるキャラクターが誰も彼も魅力的。そして何よりも『仲間を思う気持ち』の強さが尊い...。
ヤンキー漫画なのに、成年年齢引下げの政府広報動画に採用されたのは、それだけ心に訴えるものがある作品と言える証であろう。
私も、この作品で初めてキャラ推しを味わえた。
声優沼の住民である私は、今まで推し声優のキャラを好きになっていたのだが、『東京卍リベンジャーズ』に出会い、初めての推しキャラが出来た!自分の信じた人のために、全てを差し出せる彼に完落ちした。(ちなみに最終回で彼の活躍を見て、さらに涙)

2023年1月にアニメ2期も決定している『東京卍リベンジャーズ』。まだ原作を読んでないという方はぜひ読んでほしい作品です!

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山下書店世田谷店 漆原香織
山下書店世田谷店 漆原香織
『推し活』という言葉が出来る◯十年前より、推し活人生を送っている人。趣味は読書と旅行(推し活は生き様なので趣味ではない)。旅行好きが高じてここ約10年ほど海外添乗員を生業にしていたが、コロナにより強制終了。山下書店世田谷店に拾っていただき本に埋もれる幸せな日々の現在に至る。文芸書とコミックを担当。